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「愚民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愚民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て有り得べきことではない。これは祠に仕える巫女のやからが何かのことを言い触らし、愚民がそれを信ずる虚に乗じて、他の山妖水怪のたぐいが入り込んで、みだりに禍福をほ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ンカートンなどの著述をお読みになったでしょうが、かつて魔法博士デイやグラハムが、愚民を惑わした黒鏡魔法も、底を割れば、たったこれだけの本体にすぎないのです。さて....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
刻な哲学でも文学でもなくて、実は極めて皮相な空文句なのである。ヒトラーがドイツの愚民を如何にこの血の迷信によって引きまわしているかを見れば、それはよく判るだろう....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
農民としての自分の日常の直接利害が何であるかを全く知らないような、想像も出来ない愚民であるか、になる。こんな農民が、自分自身の圧力によって、独立政権を樹立させた....
立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
ず頭をさげた。 「恐れ入りました」 「そうだろう、足のある幽霊を抱えてるだろう、愚民を惑わして金銭を詐取するとは、不届至極の奴なれども、今日は格別の取計らいによ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
いや、もし、お前様、もし、旦那様。」 顧みもせず島野は、己ほどのものが、へん、愚民にお言葉を遣わさりょうや! 婆さんも躍気になって、 「旦那様、もし。」 「....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
立し、世界中の人間を堕落させて、そして自分が全世界を征服するのだなどと高言して、愚民を騙かしていたそうです。それほど大がかりの阿片窟が、どうして今日まで知れなか....
妖怪学」より 著者:井上円了
をあげたり。よって、妻には色男あるものと信じ、家に帰りて早速離縁したるものあり。愚民のこれを信仰する、かくのごとくはなはだしきに至れり。 余、この怪事の、ある....
迷信解」より 著者:井上円了
出生には、必ず霊夢の感応等ありと伝うるがごときはその一例である。また、利欲心より愚民を瞞着して、金銭を得んとて偽造せることもたくさんある。またはなんらの利益なき....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
するゆえんを知らざるをもって、またこれを妖怪、不思議の一種に属す。これをもって、愚民のこれを妄信する、日一日よりはなはだしく、これより生ずるところの弊害、また決....
日和下駄」より 著者:永井荷風
そな》えるとか聞いている。 無邪気でそしてまたいかにも下賤《げす》ばったこれら愚民の習慣は、馬鹿囃子《ばかばやし》にひょっとこの踊または判《はん》じ物《もの》....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
間に穴があってその穴から火が出るのですが、その火が水の上を匐って上に騰るのです。愚民がこれを見ると全く水の中から火が燃えて出るように見えるのです。その他も皆そん....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
諸事諸物、旧を去りて新に就くの際に当たりては、宗教にあらざれば、一国従来の精神を愚民の間に維持すること難し。もし、その愚民をして開明の進歩をとらしめんと欲せば、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
き、大学の程度低く、共和国たるにもかかわらず、上下の懸隔はなはだしく、無知文盲の愚民多く、上下を通して理想の趣味を解せず、自然の風景を楽しみ、物外の天真を味わう....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ずかの実験を大きな空想でつなぎ合わせて一つの物語を作り上げ、実験嫌いで空想好きの愚民どもをだましたのが火素説であり進化論であり火星人であり血液型気質決定説等であ....