愚行[語句情報] »
愚行
「愚行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
な家の一つに数えられていたようである。この家系で、人からうしろ指を差されるような
愚行を演じたのは私ひとりであった。 × 余の幼少の折、(とい....
「夏秋表」より 著者:立原道造
ていたのである。 次の朝、草ひばりは籠を逃れ去った。私はこの叛いた虫を叢に追う
愚行を敢てした。私だけのみれんである。叢では、昨夜の冴えと張りを忘れた虫らが、し....
「さようなら」より 著者:田中英光
た現在のぼくの心中に未だ尾を曳いていて、最近、ぼくは自分の家庭を解体させるような
愚行を演じた際にも、それがある程度、ぼくの心理を左右したものである。誇張していえ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
、やっぱり、女はだめだ。ふだんあんなに利巧そうに涼しく振舞っているだけに、こんな
愚行を演じた時には、なおさら目立って、きたならしくなる。残念な事だ。竹さんは、も....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ために減りそうにもなかった。私がそこですぐさま向う見ずに跳びこんでいった無分別な
愚行の渦は、自分の過去の月日の泡だけを除いてすべてを洗い去り、堅実な、または真面....
「誰のために」より 著者:宮本百合子
であったとして、日本の解放運動の形がそのほかになかったとき、そこに参加したことは
愚行であったろうか。インテリジェンスとは、こういう急所で、はっきり事態の意味を弁....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
で、税金を集めることができるかという議論でした。 一人の教授の意見では、悪徳や
愚行に税金をかけるがいゝ、というのでした。ところが、もう一人の教授の意見では、人....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しまったことです。貴族が自分の貴族らしさを、こうもすてきれないかとおどろき賢人の
愚行に打たれました。ストリンドベリーやニイチェやその他西洋のすこし辛子《カラシ》....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
も東西の賢人たちは、人間があかずくり返す破壊と建設を、ただその反覆において一つの
愚行だと見て来ました。結果人間は愚かなものだ、という風にね。でも、果してそうなの....
「青春論」より 著者:坂口安吾
しまった。いつの時が僕の青春であったか。どこにも区切りが見当らぬ。老成せざる者の
愚行が青春のしるしだと言うならば、僕は今も尚青春、恐らく七十になっても青春ではな....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
うと思うのが至当な稀有な場合である。 この決戦を平然として棄権させた日本水聯の
愚行は論外である。結果はマーシャルが不振のために救われたようなものではあるが、こ....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
にどんな運命になるか、誰も知ってやしない。人に同情するなどとは身の程をわきまえぬ
愚行であろう。 「なに、ここだけが戦場になるわけじゃありませんよ。おそかれ、早か....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
澄はわたしを軽蔑し、わたしにひどく反感を持っているらしい。わたしの、ちょっとした
愚行を、利江が長い間かかって誇張《こちょう》して吹き込んだと見えて今まではわたし....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
で――いや、こいつは、やっぱり俺自身のセイかな?) とにかく、かねていろいろの
愚行を演じ馴れている私にとっても、批評文を書くという仕事は、まれに見る
愚行であり....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
だけの小さなグルウプは、欲望と愛情のもっとも深い感情でかためられた。 そこで、
愚行と激情に出すぎようとするエセックスを、引き戻す障碍はすこしもない。それどころ....