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愛妾
「愛妾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛妾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
だんだん食い入って行った。 ある夜のことであった。彼は宵から奥殿にたて籠って、
愛妾たちを前にしながら、しきりに大杯を重ねていた。 京からはるばると召し下した....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、相次いで奇怪な変死事件が起ったのだ。最初は明治二十九年のことで、正妻の入院中
愛妾の神鳥みさほを引き入れた最初の夜に、伝次郎はみさほのために紙切刀で頸動脈を切....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
かの三浦の如きは、桶狭間の勇士|故の井伊直盛の所領を望んだり、更に甚しくは義元の
愛妾だった菊鶴と云う女を秘かに妻にしたりしながら国政に当ると云うのだから、心ある....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
に堕して居る。併し何と云われても、信頼する事の出来ない重臣に取捲かれて居るより、
愛妾寵臣の側に居た方が快適であるし、亦安全であるに違いない。殷鑒遠からず、現に嘉....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
とと思われる。 その上秀吉は諸将に、その女房達を招き寄せることを勧め、自分でも
愛妾の淀君を呼び寄せて居る。淀君が東下の途中、足柄の関で抑留した為、関守はその領....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
晋の干宝は字を令升といい、その祖先は新蔡の人である。かれの父の瑩という人に一人の
愛妾があったが、母は非常に嫉妬ぶかい婦人で、父が死んで埋葬する時に、ひそかにその....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の安禄山が乱をおこした時、張巡は※陽を守って屈せず、城中の食尽きたので、彼はわが
愛妾を殺して将士に食ましめ、城遂におちいって捕われたが、なお屈せずに敵を罵って死....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
十 土地の口碑、伝うる処に因れば、総曲輪のかの榎は、稗史が語る、佐々成政がその
愛妾、早百合を枝に懸けて惨殺した、三百年の老樹の由。 髪を掴んで釣し下げた女の....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
のほども思いやられる。正面|桟敷には大御所様はじめ当の主人の満千姫様、三十六人の
愛妾達、姫君若様ズラリと並びそこだけには御簾がかけられている。その左は局の席、そ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
「はてね」と彦七は笑い声を立て、 「今更らしく何を有仰る」 「立派な寮、美しい
愛妾。……卜翁様の豪奢振り、何と羨しいではござらぬかな」 「ははアなるほど、その....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
とに就いては、明治三十五年上演の「小笠原騒動」のお大の方という草刈り女から大名の
愛妾になったという女に扮した時の批評に、贋阿弥の「国を傾ける艶色という柄にははま....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
八郎は考えた。六人の旗本の鼻を削ったのと、十数人の女の臀部を斬ったのと、又大名の
愛妾を襲ったのと、同一人物の手であるかどうか。これは研究物だと心着いたのであった....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
に、わざわざ駕をまげるのが、長い間の慣わしになっていた。 今宵も将軍|家慶は、
愛妾のお光の方と共にお成りとあって、お光の方に仕えている源兵衛の娘由利も、その行....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
矯曇弥の呪詛の押絵は、城中の奥のうち、御台、正室ではなく、かえって当時の、側室、
愛妾の手に成ったのだと言うのである。しかも、その側室は、絵をよくして、押絵の面描....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
聞いて、はッと胸に応えたのは、風説に聞いて尋ねて来た、式部小路の麗人はさる人の、
愛妾であるというのである。 果してそれが柳屋のならんには、米が砂利になる法もあ....