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「愛娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
していった。 「あなたが、わたくしを思い捨てなさるほど、わたくしはあなたに親しい愛娘になりましょう。その反対に、あなたが一筋でも低い肉親の血をわたくしにおつなぎ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
袖に縋れかし。 妙子は、有名な独逸文学者、なにがし大学の教授、文学士酒井俊蔵の愛娘である。 父様は、この家の主人、早瀬主税には、先生で大恩人、且つ御主に当る....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
はある不良少女団の団員章ではないか、と。殺された一宮かおるは、××女学校の校長の愛娘だったのであるが、教育家の家庭から不良児の出るのは、珍らしいことではない。か....
蠅男」より 著者:海野十三
植の置かれている陰から、ヌーッと現われたる人物……それは外でもない、主人総一郎の愛娘糸子の楚々たる姿だった。ところがこの糸子の顔色はどうしたものか真青であった。....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
派手なそのお召姿が、時々彼の書斎に現われた。彼女夫婦の没落の過程、最近死んだ父の愛娘であった彼女の花々しかった結婚式、かつての恋なかであり、その時の媒介者であっ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
惨澹たる世相の中に毅然として能楽の研鑽と子弟の薫育を廃しなかった。野中到氏(翁の愛娘千代子さんの夫君で、後に富士山頂に測候所を建て有名になった人)と、翁の縁家荒....
風流仏」より 著者:幸田露伴
古風作者の書そうな話し、味噌越提げて買物あるきせしあのお辰が雲の上人岩沼子爵様の愛娘と聞て吉兵衛仰天し、扨こそ神も仏も御座る世じゃ、因果|覿面地ならしのよい所に....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
を手に入れ、一路本国さして遁走中だとのことである。大総督の、も一つの痛手は、彼の愛娘のトマト姫が、イネ建国軍のため、いつの間にか、トマト姫と同じ顔の人造人間に換....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
かへ出奔してしまった。その原因は誰にも分りすぎるほど分っていた。それはかの帯刀の愛娘お妙に失恋したためだった。その失恋も単純な失恋ではなく、人もあろうに、半之丞....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
従兄なる謙三郎との間に処して、巧みにその情交を暖めたりき。他なし、お通がこの家の愛娘として、室を隔てながら家を整したりし頃、いまだ近藤に嫁がざりし以前には、謙三....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
女の若き日の夢のあとである。彼女たちは幕府のころ、上野の宮の御用達をつとめた家の愛娘であった。下谷《したや》一番の伊達者《だてしゃ》――その唄は彼女の娘時代にあ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の身の上を尋ねました。乙女の言葉によりますと、乙女は波斯でも由緒正しい絹|商人の愛娘で、その時からちょうど一月前、父母に連れられてコンスタンチノーブルへ観光に来....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
いてまだ帰らず、ここで、木のぼりをしても叱られないでお猿《さる》さんと愛称された愛娘《まなむすめ》に、目に見えない生活の一転期があったことを、見逃《みのが》せな....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
袖の肩にこぼしている姿は、然るべき公家か、武家の息女か、おそらく世に時めく武家の愛娘であろうと、兼好はひそかに判断した。 「初めて御意得申す。われらはあるじの兼....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
読売りされて江戸中の人びとに知れ渡っていた。 が、この不幸中の幸ともいうべきは愛娘《まなむすめ》のお露が、その時寺島村の寮へ乳母と共に出養生に来ていたことと、....