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愛嬌笑い
「愛嬌笑い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛嬌笑いの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ある。いやな顔をしてきわめてゆっくりかぶりを振るのもある。それからまたにこにこと
愛嬌笑いをしてもう十銭やってくださいといいながらドアに手をかけてインヴァイトする....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
敬礼をした。直ぐ背後に在る真鍮鋲の扉を押して開いて、私を迎え入れるべくニッコリと
愛嬌笑いをした。 扉の内側は豪華なモザイクのタイルを張詰めた玄関になっていた。....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
止めた満月は、思わずハッと立佇まった。二人の顔を等分に見遣りながら、持って生れた
愛嬌笑いをニッコリと洩らして見せた。 魂が見る間にトロトロと溶けた二人は、腰の....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
られた壁を眺め、その文句のあるものを説明され、働いている人々に向って外国女らしい
愛嬌笑いをして見せたところで、それは何を意味するであろうか?「なるほど、ロシアに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のぼって、むんずと坐を組み、 「オホホホホホホ」 と面《かお》に似気《にげ》ない
愛嬌笑いを試みた時に、霞のように棚曳いていた細い眉と目が、一時にドヨみ渡りました....
「新しい躾」より 著者:宮本百合子
歴史の間、過去の日本人が、上から抑えつけられてばかりいた結果、習慣となった卑屈な
愛嬌笑いは、男にも女にも、不用です。 私たちは、そういう日本人であることを、自....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
い女優が交っていたが、その女はかねて顔馴染な Mcadoo 氏を見ると、顔一杯に
愛嬌笑いを見せながら、いち早く歩み寄って来た。そしてきゃしゃな指さきに露の滴るよ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
こは何とあってもその「若き日本紳士」を生けどりにしたくてたまらない。出来るだけの
愛嬌笑いを顔に、そのくせ命令的に両手を腰に厳然と私のまえに直立していて動かないの....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
押えられても瞬き一つせぬ手練の早業。息も吐かぬ間に骰子を掏り換えて、何の事もない
愛嬌笑いにして見せると言う……おかげで蔵元屋の毎晩の上り高は大したものであろうが....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
H夫人が小豆色のコートをつけて、タオルで頬かぶりの、鼠いろの眼鏡をかけて、ちらと
愛嬌笑いをした。 「や、あなたもいらっしゃるのですか。驚いた。」 「ほほ、えらい....