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「愛子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
をし始めた。模様や縞《しま》の派手《はで》なのは片端からほどいて丸めて、次の妹の愛子にやるようにと片すみに重ねたが、その中には十三になる末の妹の貞世《さだよ》に....
或る女」より 著者:有島武郎
出そうとした。定子の住む同じ土地に帰って来たと思うだけでももう胸はわくわくした。愛子《あいこ》も貞世《さだよ》もどんな恐ろしい期待に震えながら自分の帰るのを待ち....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
にし重ねての命を待つべし」と、触れ渡った。 家康も、今日を最後の手合せと見て、愛子の義直、頼宣の二卿に兜首の一つでも取らせてやりたいという心があったのだろう。....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ーとは真に智的生活の何事にも役立たないであろう。これこそは愛が直接に人間に与えた愛子だといっていい。立派な音楽は聴く人を凡ての地上の羈絆から切り放す。人はその前....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
電車の下に落ち、電車はそのまま発車し、両脚轢断、頭部裂傷にて憤死した。その旨夫人愛子さんより悲歎の言葉を以て通知あり、驚愕且つ暗然とした。 同じく級友小野君も....
運命」より 著者:幸田露伴
燕王範を垂れて反を敢てし、身|幸にして志を得たりと雖も、終に域外の楡木川に死し、愛子高煦は焦熱地獄に堕つ。如是果、如是報、悲む可く悼む可く、驚く可く嘆ずべし。 ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
、乃木大将伝を文楽座で人形浄るりとして演じた事があったと記憶する。前者においては愛子は涙の顔を上げて太夫が語ると愛子というハイカラな女は顔を持ち上げて泣き出した....
初恋」より 著者:国木田独歩
ように老先生の家を訪ねた。学校から帰るとすぐに先生の宅へ駆けつける、老人と孫娘の愛子はいつも気嫌よく僕を迎えてくれる。そして外から見るとは大違い、先生の家は陰気....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
いては、お噂ご存知でござろうな?」 「は、よく承知でござります」 「上様特別のご愛子じゃ」 「さよう承わっておりまする」 「お輿入れ道具も華美をきわめ、まことに....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
た」半兵衛は初めて頷いたのである。 五代将軍綱吉は、聡明の人ではあったけれど、愛子を喪った悲嘆の余りにわかに迷信深くなり、売僧の言葉を真に受けて、非常識に畜類....
月世界競争探検」より 著者:押川春浪
、飛説紛々として生じ、氏の知己は日夜憂慮しつつあるが、ここに最も哀れなるは、氏の愛子|月子嬢の身の上にして、幼にして母を失いたる嬢は、ただ天にも地にも博士一人を....
妖怪談」より 著者:井上円了
小さい人なぞは、そこを通るとその人が出たなぞということが往々あります。世間には、愛子が墓前にあらわれ出でたとか、親が出たとか、怨者が出たとかいうことはたくさんあ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
実際上さらにその応果を見ず。牧師は説教上において神つねにおわすというも、上帝その愛子をして不幸を免れしむることあたわず、神見ざるところなく聞かざるところなしとい....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
渡れば好いに。 なるほど使命の詞は聞える。しかし己には信仰がない。 奇蹟は信仰の愛子だ。 あの恵ある便を伝える声のする、 あの境界へは己は敢て這入ろうとは努めぬ....
あの顔」より 著者:大倉燁子
「御主人の方は?」 「眼の中へ入れても痛くないというほどの可愛がり方なのです。愛子と名づけまして、夫は愛子のあるために女道楽も大分下火になりましたので、私も安....