愛寵[語句情報] » 愛寵

「愛寵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛寵の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
た。 水無瀬女は、豊かな山に生れ、しかも最初に生れた総領娘なので、充分な手当と愛寵の中で育てられた。ふた親は常に女《ひめ》にいって聴した。「東国では、あなたが....
少女地獄」より 著者:夢野久作
のもののような白鷹氏は、K大耳鼻咽喉科に在職中、姫草ユリ子をこの上もなく珍重し、愛寵した。そうして宿直の夜になると、そうした白鷹氏の彼女に対する愛寵が度々、ある....
李陵」より 著者:中島敦
《ようだい》や始皇帝《しこうてい》などと共通した長所と短所とを有《も》っていた。愛寵《あいちょう》比なき李《り》夫人の兄たる弐師《じし》将軍にしてからが兵力不足....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
聞くも堪えない讒謗罵詈は雷のごとく哄と沸く。 鎌倉殿は、船中において嚇怒した。愛寵せる女優のために群集の無礼を憤ったのかと思うと、――そうではない。この、好色....
源氏物語」より 著者:紫式部
かいわれる後宮《こうきゅう》がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深い御|愛寵《あいちょう》を得ている人があった。最初から自分こそはという自信と、親兄弟の....
源氏物語」より 著者:紫式部
と、この寂しい結末の場を拝して泣く者が多かった。院の皇子方は、父帝がどれほど御|愛寵《あいちょう》なされたお后《きさき》であったかを、現状のお気の毒さに比べて考....
源氏物語」より 著者:紫式部
た問題ではないから、過失として勅免があればそれでよいということになった。帝の御|愛寵《あいちょう》を裏切って情人を持った点をお憎みになったのであるが、赦免の宣旨....
源氏物語」より 著者:紫式部
いて、 「それではお上へ済まないことになる。宮仕えは多数のうちで、ただ少しの御|愛寵の差を競うのに意義があるのだ。貴族がたのりっぱな姫君がお出にならないではこち....
源氏物語」より 著者:紫式部
、すぐれた麗質も備えていることで、若くいらせられる東宮ではあるがこの人を最も御|愛寵あそばされた。東宮に侍している他の御息所付きの女房などは、源氏の正夫人でない....
源氏物語」より 著者:紫式部
臣をこちらへ」 と、仰せがあって薫がまいった。実際源中納言はこうした特別な御|愛寵によって召される人らしく、遠くからもにおう芳香をはじめとして、高い価値のある....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ひきうけていたなどに起因するのではあるまいか。 近ごろ、彼が手にいれて、昼夜、愛寵愛撫、措くところを知らない二条家の姫ぎみなどにも、彼のやりくちはよく出ている....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、従来の武蔵研究の材料の大半は九州地方からのみ出たものであって、武蔵が後に特別な愛寵をうけた本多家などからは、武蔵の門人もあったのに何らの材料もまだ出ていないし....