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愛慕
「愛慕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛慕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
く》する自然崇拝者の、憧憬を持ち得られるであろう、それからそれへと、自然に対する
愛慕と驚異の情を、有し得るようになるであろう。 さすれば上高地の小峡谷は、日本....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
はお通夜などと云う仏教の形式に、反感を懐いて居たが、然し自分の悲痛や夫人に対する
愛慕を、こうした形式で現わす外、何うとも仕様がなかった。 本当に悲しんで居る人....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
軍夫妻程|死花が咲いた人々は近来絶無と云ってよい。大将夫妻は実に日本全国民の崇拝
愛慕の的となった。乃木文学は一時に山をなして出た。斯上蛇足を加うる要はないかも知....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
墓舎のなかではなく――彼女の生れた村の普通の墓に。絶望に満たされ、しかもなお深い
愛慕の追憶に燃え立ちながらボシュエは、死体を墓から発掘してその豊かな髪の毛を手に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ないので、一八六八年他の教区に転任した。彼は何所へ行っても、すぐれた人格者として
愛慕されたのであるが、たまたま咽喉を病み、演説や説教を医師から厳禁されたので、止....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
日のあいだ、彼が出て来るのを修道院で待ち受けていた。どうして彼らがこれほど長老を
愛慕するのか、なぜ、彼らは長老の顔を見るやいなや、その前に身を投げてありがた涙に....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
りよき恋人をもとめると、次々と、棺桶にねむるまでキリがありません。おまけに人間の
愛慕の激情というものは、いくつの年齢になっても、初恋と同じだけ逆上的なもので、こ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
のときから、準之助氏に好意と敬愛とを持ってはいたが、しかしそれが、どうころんでも
愛慕になるとは思えなかった。 それに、彼女は美沢を愛していたから。 でも、こ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かりである。彼は絶えず独りで歌っていた。 われは死なむ処女の愛に…… コスモは
愛慕の情に胸を破らるるばかりであったが、さすがに死ぬことはできなかった。彼女のた....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
らないが、少なくとも子供たちに対しては正しく、公平であり、道の師範であった。私は
愛慕と感謝があるだけで、不平はひとつも持っていない。子供に対する小学校の先生程神....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
しい優しい性質の中に、毅然として動かぬ女丈夫の気節を、堅く蔵していることを知り、
愛慕の情を加えると同時に、尊敬をさえ持つようになり、暴力をもって自己の欲望などを....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
り、日本美の特質を深く包蔵している。わずか二尺八寸余の小像であるが古来世人の恭敬
愛慕絶ゆる事なく、悪夢を善夢とかえてくださる御仏として礼拝されて来たという。そう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
かった。リッチ卿はいとうべき良人だったのである。そこで彼女は、マウントジョイ卿を
愛慕するようになった。一種の友好が生じた。明白な――生涯の友好が――そういう関係....
「妻」より 著者:神西清
休まらぬ病的な恐怖だ、またもや旅券の拒絶だ、手紙の往復だ、絶対の孤独だ、彼女への
愛慕だ、そして五年もすれば、老年、白髪……。私は歩き廻りながら、あり得べからざる....
「忘れられたる感情」より 著者:小川未明
不可思議な、奥深い怪奇な、感情の洞穴に魅しくれる、此種の芸術に接するたびに、之を
愛慕し、之を尊重視するの念を禁じ得ない。....