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「愛慾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛慾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
二人の間に挟まると、今度は恐ろしいほどの敵同志になってしまったのです。その激しい愛慾の闘争は、かれこれ半年もうちつづいたようでした。どうした風の吹きまわしか、綾....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
にはなんとなく変な空気が漂っていることに気がついたが、しかしその夜のうちに、あの愛慾の大殿堂ゴールデン・バットがピタリと大戸を閉じてしまうなどとは夢にも気がつか....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
謝のような気持がその生命力に向って起る。だが、その生命力はまた子の成長後かの女の愛慾との応酬にあまり迫って執拗だ。かの女は、持って居たフォークの先で、何か執拗な....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
やたらに物質の平等よばわりは同じ難いけれど、然し、茲に一つの新らしい主義や人類の愛慾が発見され、それに向って人心や時代が推移傾倒して行くことは、それが絶対真理で....
風流仏」より 著者:幸田露伴
め、是は何とした者。 第八 如是力 上 楞厳呪文の功も見えぬ愛慾 古風作者の書そうな話し、味噌越提げて買物あるきせしあのお辰が雲の上人岩沼....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
するなり、苦しんだり、それを私に信用ある私に、打ち明けようとすればいい。不気味な愛慾。アネモネの花―― 蓬莱和子は、南原杉子を少し憎みはじめた。南原杉子は、度....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ながら彼の話に耳をかたむけていた。今までの感傷的な手紙、熱烈な愛情、大胆な執拗な愛慾の要求――それらのものはすべて愛ではなかった。金――彼のたましいがあこがれて....
裏切り」より 著者:坂口安吾
かも知れませんが、奴のはその最低線がタダメシで、その週に二三回のタダメシのために愛慾をギセイにできるというのですから、まるでタダメシに身を売っているようなもので....
」より 著者:秋田滋
はその女を愛しておりました。一口に愛していたと申しましても、わたくしは、肉体的な愛慾とか、あるいはまた尋常一と通りの精神的な愛情、そのような通り一遍の気持で愛し....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
でございますよ。ほんとにこれまで幾十人の娘が、この部屋の中へ入れられて、そうして愛慾の餓鬼となって、飛び出して行ったことでござりましょう。……でもお気の毒でござ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った。 が父の浄瑠璃が私たちに影響したのはこうした精神的方面だけではない。美と愛慾への憧憬と感受性とを刺戟した。私たちの目の前には花ぐしの揺らぐ八重垣姫や、前....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
疲れた者にも愛だけは断ち切れません。寧ろ精神肉体の中で他の部分が疲れて来るほど、愛慾の部分ははっきり目を覚して来るように思われます。この始末を仏教ではどうするの....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
閉じ果てて、救いの術はただ信心。他力易行と教えて来たが、思いに勝さる事実の応験。愛慾泥裏の誑惑の男と女がそのままに、登る仏果の安養浄土、恐ろしき法力ではあるなあ....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
上海の夜の町を縫って各国のスツリート・ガールが客をあさって居り、僕達の一行の若き愛慾の騎士T君などは一夜それらのガールを平げ、翌日僕にニヤニヤ笑い乍ら「昨夜は最....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
わたくし共がそれを中てると、魔が逃げました。 慣れた地獄の刑罰の代に 悪霊共が愛慾を起しました。 あの年の寄った悪魔の先生でさえ 鋭い苦痛を身に覚えました。 ....