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「愛染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛染の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
と云う事のない屋敷である。第二に、五月上旬、門へ打つ守り札を、魚籃《ぎょらん》の愛染院《あいぜんいん》から奉ったのを見ると、御武運長久|御息災《ごそくさい》とあ....
少年時代」より 著者:幸田露伴
朔日十五日二十八日には妙見様へもという工合で、法華勧請の神々へ上げる。其外、やれ愛染様だの、それ七面様だのと云うのがあって、月に三度位は必らず上げる。まだまだ此....
十二支考」より 著者:南方熊楠
衆僧に授くるその間、妙光室内でかの僧この僧と、その美貌を臆《おも》い出し、極めて愛染《あいぜん》を生じ、欲火に身の内外を焼かれ、遍体汗流れて死んだ。長者僧を供養....
三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
通ぜず、悪気もないとおり一遍の表情で、 「いいわね、淋しくなくって」 あとは「愛染かつら」の主題歌を鼻でうたいながら、円椅子を片づけはじめた。 三週間近くな....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ッス仏訳『カマ・ストラ』一四頁)。愛の神カマ、五種の芳花もて飾った矢を放って人を愛染す。その一なる瞻蔔迦《ちゃむばか》の花香|能《よ》く人心を蕩《とろ》かす。故....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
け刳《く》り取られたのだから、その痕《あと》がありありと残って、まあ出来損ないの愛染明王《あいぜんみょうおう》といった形だ、とても、あの人相では、世間へ出る気に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
であります。 「いや、その傷が物怪《もっけ》の幸いというものだ。我々の眼で見ると愛染明王《あいぜんみょうおう》の相《すがた》だ」 「ふふん」 と今度は主膳が冷笑....
生前身後の事」より 著者:中里介山
前に余輩が書いた黒谷夜話の中味によく似たところがあるという谷崎潤一郎君の「無明と愛染」というような新作を並べたものであったが、昼の方が興行的に断然優勢を示してい....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
柔しようと考えるようになった。そして「今日以後永く他宗折伏を停めるならば、城西に愛染堂を建て、荘田千町を付けて衣鉢の資に充て、以て国家安泰、蒙古調伏の祈祷を願ひ....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
すし、形から申しましても、筋隈、剥身、火焔隈、一本隈、というように、化身、磐若、愛染というような役柄に、ぴったりと合うのが、それぞれあるのでございます。しかし、....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
ほかに、六月二十八日には鶴岡放生会を引き上げて泰衡征伐の祈祷をなし、二十九日には愛染明王の像を武蔵の慈光山に送って修法を行わしめ、七月五日には駿河の富士御領帝釈....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
っていつの間にか、こちらからその誘惑をうまく支配してしまう。その効果を仏教では「愛染行」(愛染明王の行 愛欲に入ってしかも愛欲を度す)と言います。仏教修業の結果....
私本太平記」より 著者:吉川英治
早めた。そして四天王寺からすぐの夕日ノ岡へその姿はのぼっていた。 そこの勝曼院愛染堂が、彼の本陣とする所かとみえる。といって、ここにもたくさんな将士は見えなか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ご、行方も知れず、といわれていた大塔ノ宮|護良親王は、先頃来、こつねんと吉野山の愛染宝塔に拠って砦をきずき、諸国へむかって、公然、 “義兵ヲ募ル” の令旨を....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
てやろうといって帰った。その跡を見送ると、ちょうど今のお社のあるところまで来て、愛染明王の姿を現じて行方知れずになったといってあります。種痘ということの始まるま....