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愛犬
「愛犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
えの烟の中から、人夫が一人ずつ、荷をしょっては、ひょッくり、あらわれる、嘉門次の
愛犬「コゾー」もこの登山隊の一員として交っている。 嘉門次が一行の案内を務める....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たのと一緒に、ちょこちょこと出て来たのは赤白まだらの犬です。お犬公方様またなき御
愛犬と見えて、お守役のお城小姓がふたり。 「五位さま、こちらこちら。お席はここで....
「恐竜島」より 著者:海野十三
は、乗船のその翌日に早くもなかよしになってしまった。 そのきっかけは、玉太郎の
愛犬《あいけん》ポチが、トランクの中からとび出して(じつはこのポチの航海切符は買....
「電気鳩」より 著者:海野十三
の口からは、とてもいやなにおいがしました。 電気鳩が飛びだしたと見るや、高一は
愛犬マルという、よくはなのきく犬をつれて、いっしょに電気鳩のあとをおいかけました....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
女は逃げて逃げて、加古川の川口の印南都麻という島に上られた。ところが川岸に残した
愛犬が、その島に向いて吠えたので、そこに居ることが知れて、天子が出向いて連れ戻ら....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
んでいるのであった。 わたしはかれを抱きあげて火のそばへ連れて来たが、哀れなる
愛犬の死について、強い悲哀と強い自責とを感ぜずにはいられなかった。私がかれを死地....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
社長タイプというのね。あわれみ深いんだわ。恋人をあわれむけど、愛せない方。恋人は
愛犬。そして、本物の犬はお嫌いでしょう、その方」 「そうでもありません。ぼくには....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
うな図を道で見かけるが、あれはたいがいケンカをしたがっているのではないのである。
愛犬家は吠え声で分るものだが、たいがい「遊びましょう」と云ってよその犬に吠えかけ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
調べなければならんな。しかし、オヤジの脚力だけ調べたってダメだね。魚屋のアニイが
愛犬と一しょに必死に先頭をきると、八百屋のハゲ頭の
愛犬がハゲ頭の心臓マヒを心配し....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
代までは存在しなかったように、こんごより以上の日本犬が現われてもフシギではない。
愛犬家も純粋種の規格などにとらわれずに自分で改良を志し、自分の好みの雑種を考案さ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
和祭の踊場で知り合って以来、彼女は随分職業を変えた。ジャン・パトウのマネキン娘。
愛犬倶楽部の書記助手。土耳古の金持の妾、アメリカ世界観光船へ乗組の遊び女、これら....
「鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
「もうじき、弘ちゃんが帰ってくるから、そうしたら、病院へつれて行って貰いなさい」 由紀子は庭のベンチに腰かけて、
愛犬ビリーの眼や鼻をガーゼで拭ってやりながら、人の子に物言うように話すのであった....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
の二月、爺ヶ岳裏の棒小屋沢に羚羊猟に行ってた時に、雪崩の下になって、その息子と、
愛犬と一緒に死んだ。皆が、山人らしい死に方でこの世を去ったのだ。 芦峅きっての....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
何うも山※らしかったですよ。」 「そうか。」と、安行は低声で云った。 兎に角、
愛犬を路傍に捨てては置かれぬので、市郎は血に染みたるトムの死骸を抱えて起った。 ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
前で土佐犬の身体を洗ってやっていた。「馬鹿奴が!」権右衛門はバケツを蹴り倒した。
愛犬は権右衛門にかみつこうとした。権右衛門は犬の吠声を後に逃げて帰った。あとで、....