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愛玩
「愛玩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛玩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
に恩を負うていることを示す永久の表章のように思われた。惣八郎は、故意にその目貫を
愛玩するのだとさえ、甚兵衛は思った。 甚兵衛が四十になった時、甚兵衛と惣八郎と....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
は、暗い樹蔭に這いずって行く稚市《ちごいち》の姿を、じっと見守っていた。玩具――
愛玩動物。いまではからくも稚市に、蛞蝓《なめくじ》のように光に背を向けて這い、迷....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ほど風変りな邸を持っているところがまだ他にあろうとは思えない。彼はこんな異風景を
愛玩する辻川博士の心を恐ろしく思った。 だが大隅学士の愕くのは、いささか早やす....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
てみると、復一がぽつぽつ調べかけている金魚史の上では、初めて日本へ金魚が輸入され
愛玩され始めた元和あたりがちょうどそれに当っている。すると金魚というものはバロッ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
払うのか。赫子の義兄大川宗三郎氏の陰影の深い耽美的作品に傾倒して居た私が大川氏の
愛玩すると評判高い赫子に多くの価値を置こうとするからだった。始め私は磨きの好い靴....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ませんが、たとい二つ三つでも自分の気に入った人形を机や書棚のうえに飾って、朝夕に
愛玩するのは決して悪いことではないと思います。人形を愛するの心は、すなわち人を愛....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
小天地に跼蹐しているものではない。私は日常応接する森羅万象に親しみを感じ、これを
愛玩しては、ただこの中にプレイしているのだと思っている。洋の東西、古今を問わず、....
「人造物語」より 著者:海野十三
の形をつくって、それが生埋めになることからのがれさせて呉れたのであるが、その後、
愛玩物としての人形が発達した。 その中でも異色のある人形は、案山子と、左甚五郎....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
穴に住み、日本風の墳墓を作る様になって後までも、中には祖先の内反刀を摸し、祖先の
愛玩した玉を伝えたものがいたのであろう。 さらにこれより西方、西頸城郡市振の山....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
いのであります。この時代の奥羽地方の住民は、実に石器時代文化の頂点に達し、観賞品
愛玩品を製作して、これを楽しむという程度に達していたものであった事がわかります。....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
にし、宗教的信仰を異にする民族が、他の民族の信仰の対象たる偶像をもって、あるいは
愛玩品となし、あるいは観賞品として楽しむ場合のあるのと同様の現象として解せられる....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の病室を出て階下の廊下までくると、影のようなものが、ふわっと彼女をかすめて、女王
愛玩の甲冑のなかにはいるのを見た。ぞっとして、あわてて女王の室に飛び込んだ。そし....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
体であった。 しかし廷臣一般の詠んだ種々の体は、院の御心からすれば、手にとって
愛玩なさる様々な光沢の玉のごときものであった。定家はその歌体を十体に分けて、長高....
「殿さまの茶わん」より 著者:小川未明
れずに我慢をなされました。 「いい陶器というものは、こんな苦しみを耐えなければ、
愛玩ができないものか。」と、殿さまは疑われたこともあります。また、あるときは、 ....
「書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
ます。 これから見ても、和本は、出版の部数は少なかったけれど、これを求めた人は
愛玩し、また、古本となって、露店へ出ても、買った人は大事にして、本箱に樟脳をいれ....