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「愛用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
覲中《さんきんちゅう》、江戸城の本丸《ほんまる》へ登城《とじょう》する毎に、必ず愛用の煙管《きせる》を持って行った。当時有名な煙管商、住吉屋七兵衛《すみよしやし....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
で……。特に夏目漱石さんの嫌いなものはブリウブラクのインキだった。万年筆は絶えず愛用せられたが、インキは何時もセピアのドローイングインキだったから、万年筆がよく....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
で、散々に秘密の楽しみを味わった後、そこにあった安楽椅子に豪然と凭れて、おじさん愛用の葉巻をプカプカやっていた。すると誰もいないと思っていた扉が急に開いて、その....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
には解りかねた。 「あのう、侯爵さまは、その夜、音楽の話をなさったり、それから御愛用の音叉を、ぴーんと鳴らしてみたりなさらなかったでしょうかしら」 「ああ、あの....
怪塔王」より 著者:海野十三
く二人のひたいには、いつしかあぶら汗がねっとりとにじみでました。帆村の右手には、愛用のコルト製のピストルがしっかとにぎられています。一彦少年は、一たばの綱をもっ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ひろげた大きな世界地図を前にして、傲然と椅子の背にもたれている。左手にしっかりと愛用のパイプを握っているが、火はとくの昔に消えていた。よく見ると、広い額の上で、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
八|畳敷ほどの洞窟が天然自然に出来て居り、そして其所には御神体をはじめ、私が日頃愛用の小机までがすでにキチンと取り揃えられてありました。 一と目見て私は今度の....
端午節」より 著者:井上紅梅
方玄綽は近頃「大差ない」という言葉を愛用しほとんど口癖のようになった。それは口先ばかりでなく彼の頭の中にしかと根城を....
カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ハ相前後シテ生レタラシイガ、前者ハ毛筆ト和紙ニ対シ適合性ヲ持ツテイタタメ今日マデ愛用サレタニ反シ後者ハ適合性ヲ持タナカツタタメ、一千年ノ間カエリミラレルコトガナ....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
違いしたか、そうでなかつたら思想をカムフラージュする最も簡易な隠れ蓑としてそれを愛用したのであろう。そしてたまたま服装をその本来の意味に扱つている人間を見ると、....
幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
でございます。たとえばその昔女郎の足に絡わって居た下駄だとか、或いは高家の隠居が愛用して居た莨入だとか、そういったトリヴィアルなものに、特殊な床しい美が発見され....
想い出」より 著者:上村松園
私の絵をお選び下さいまして、その時御褒美に硯を頂戴致しました。この硯は永年座右に愛用致しまして蓋の金文字がすっかり消えてしまいましたが、幼い私の中に画家を見付け....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
おりていった。 博士はひどく疲れていた。頭がおもい。 こんな時、博士はいつも愛用のウィスキーを少し飲んで、ぐっすり眠ることにしていた。 「こん夜もすこし飲ん....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
あまり確かめたことはないが、きっとぐあいのいいものに違いない。その節(?)にはご愛用のほどを願っておこう。 夢のようにすぎた八十年であった。私はいま七十九歳。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
け大会戦があったけれども戦争の運命に作用する事軽微であった。またこの頃殲滅戦略を愛用したカール十二世は作戦的には偉功を奏しつつも、遂にピーター大帝の消耗戦略に敗....