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愛称
「愛称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛称の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みちのく」より 著者:岡本かの子
記憶《きおく》している四郎という名を聞き取って四郎馬鹿と言ったが、四郎馬鹿さんと
愛称をもって呼ぶようになった。 「四郎馬鹿さんに見舞《みま》われた店はどうも繁昌....
「生きている腸」より 著者:海野十三
ここに砂糖水をつくっておいたぜ」 チコというのは、生ける腸《はらわた》に対する
愛称であった。 そういって吹矢が、砂糖水を湛えてある平皿のところで手を鳴らすと....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
て、英人の旦那らしくもねえでがすぞ」 土人は、ゴリラのことを“Soko”という
愛称で呼んでいる。私は声を荒らげるよりも呆気にとられて、 「なぜいかんのだ。ゴリ....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
映して見ることができたといわれる。 112 月の君――愛人を月になぞらえて呼んだ
愛称。 118ラヴイ語――中世ペルシア語。イランがアラビア人に征服される以前、三....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
く生の彼を発見したいものだわ)」 「じゃあ何て呼ぼう」 「阿難」 「アナン、それ
愛称?」 「ううん。誰も阿難とは呼ばないわ。私、ひとりで阿難って自分に名前つけて....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
年の居候がいた。年は十八。左団次のお弟子の女形で、オヤマという言葉からヤマさんと
愛称されていたが、水もしたたるような美少年だ。当人は自分を女優という。私は女優で....
「桜の園」より 著者:神西清
人物 ラネーフスカヤ(リュボーフィ・アンドレーエヴナ)〔
愛称リューバ〕 女地主 アーニャ その娘、十七歳 ワーリャ その養女、二十四歳 ....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
がこの頃愛さなくなった。 「ねえ、お馬鹿ちゃん」 「ねえ、凸坊」 これが私への
愛称であった。この頃ではそれを封じてしまった。彼女はひどく剽軽であった。途方もな....
「初雪」より 著者:秋田滋
た。そして、良人にたいしては、使おうなどとは思ってもみなかったような、さまざまな
愛称をその犬につけてやったりした。 良人は彼女に猟のはなしをして聞かせた。それ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のは育たない。 そこで私の仲間の間ではバカヤローということは何よりも尊敬すべき
愛称になっている。 「お前は立派なバカヤローだ」 といわれると、大いに感激して....
「神経」より 著者:織田作之助
て貰って「波屋」の主人になっていた。芝本参治という名だが、小僧の時から参ちゃんの
愛称で通っていた。参ちゃんも罹災したのだ。 私は参ちゃんの顔を見るなり、罹災の....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
女はアメリカ人で、レーデー・カゼラインとよんだ。だがかの女らの友だちは、ケートと
愛称した。ケートは二十年ちかくもニューヨークの富豪、ベンフヒールド氏の家に奉公し....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
を抜かした――というのはあんまりみっとも良い話じゃないわよ」 ペペ吉とは豹吉の
愛称だ。むかし「望郷」という仏蘭西映画にペペ・ル・モコという異色ある主人公が出て....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
ホヴォの隣人の娘さんでリーヂア・ミジーノヴァというのが本名だが、手紙ではリーカの
愛称で通っている。二人の交際はチェーホフの三十歳ごろから、結婚の前の年まで、十年....
「はつ恋」より 著者:神西清
あ、よくって」と、彼女は言った。――「わたしの可愛いヴォロージャ(彼女がわたしを
愛称で呼んだのは、これが初めてだった)、あなたのいい仲間ができたわ。この子もやっ....