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愛著
「愛著〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛著の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
とは何か、といえば、それは、「私が最早一旅行者の好奇の眼を以てでなく、一居住者の
愛著《あいちゃく》を以て、此の島と、島の人々とを愛し始めた」ということである。 ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しと命じ、すなわち大威儀を以て僕従をして王宮に迎え入れしめ、王かの美女を見て深く
愛著を生じた。美女すなわち王を閑処につれ行きてこれを殺し、たちまち呪を以て自身を....
「死者の書」より 著者:折口信夫
唯功徳の為に糸を績いでいる。其でも、其が幾かせと言う風に貯って来ると、言い知れぬ
愛著を覚えて居た。だが、其がほんとは、どんな織物になることやら、其処までは想像も....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
になっているとはいえ、わたしは自分のために言うのではない。あの人があんなに心から
愛著しておられ、またあの人にあんなに心から
愛著しておられる、あの美しいお嬢さんの....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
り、この人が、普通に人々が与える以上の評価をなすとき、この価格は好尚の価格または
愛著の価格(prix d'inclination ou prix d'affec....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
私らのうちひとりも生きてる人間はいないのですね。そのくせこの世は私たちに強い強い
愛著を持たせるのですね。私は長生きができないのがなさけなくてなりません。そして死....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
聞きながら、空海四十二歳の座像を見ていたときなどは、寂しい心持になってこの山上を
愛著したのである。 併し或堂内で、畳の上にあがって杉戸の絵を見ていると小坊主に....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
換えて見ようとか思い立ったことも幾度かあったが、その度毎に住み馴れた土地に対する
愛著と、未知の土地に対する不安とが、常に私の心を元の所に引止め、私の身体を縛りつ....