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愛誦
「愛誦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛誦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
東京|下谷《したや》の池《いけ》の端《はた》の下宿で、岸本が友達と一緒にこの詩を
愛誦《あいしょう》したのは二十年の昔だ。市川、菅、福富、足立、友達は皆若かった。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
|段氏は字を光明といい、すこぶる嫉妬ぶかい婦人であった。 伯玉は常に洛神の賦を
愛誦して、妻に語った。 「妻を娶るならば、洛神のような女が欲しいものだ」 「あな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
なぞの教えたことじゃなかったですか……」 酒の酔いが回るにつれて、正香は日ごろ
愛誦する杜詩でも読んで見たいと言い出し、半蔵がそこへ取り出して来た幾冊かの和本の....
「惜別」より 著者:太宰治
任して来たという事も聞いている。藤村の仙台時代の詩は、私も学生時代に、柄でもなく
愛誦したものだが、その詩風には、やはりキリスト教の影響がいくらかあったように記憶....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
行くのを見る。しかし、これがはたして僕等にとってなげくべき不幸事であろうか、僕に
愛誦の詩がある。ポーランドの詩人クラシンスキイの作、題して「婦人に寄す」と言う。....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
を見ての詠歎と解している。 面倒な歌だが、右の如くに解して、自分は此歌を尊敬し
愛誦している。「春過ぎて夏来るらし」と殆ど同等ぐらいの位置に置いている。何か渾沌....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
うか。天沢の話は、たしかに信長像の要点にふれていた。信長の独特な狩の方法、信長|
愛誦の唄、信長を解く鍵の一つが、たしかにそこにはあるのである。それを特に指定して....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
した。翻訳は見事な出来栄えである。鶴見は鴎外の許多の翻訳中でその物語をこの上なく
愛誦している。聖ジュリアン物語は悪魔の誘惑を書き綴ったものである。ジュリアンは身....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
預言者だと妄信しただけだ」 ユダはある歌を想い出した。それはイエスが幼時から、
愛誦したという歌であった。 至誠をもて彼道を示さん 彼は衰えず落胆せざるべし 道....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
のにほふがごとく今さかりなり 寧楽朝を桜花になぞらえて謳歌した万葉歌を日頃から
愛誦している。 桜花の美は百花を圧して、ふじやまや歌麿北斎と共に世界的となり、....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
ら、ここで戦争文学として取扱うことは至当ではないが、たゞこれが当時の多くの大衆に
愛誦された理由が、浪子の悲劇だけでなく、軍人がその中に書かれ、戦争が背景に取り入....
「地上」より 著者:島田清次郎
つ光っていた。高等学校の学生である宮岡は長いマントをかぶりながら、静かな夜更けを
愛誦の歌を朗吟するのだった。 頬につたふ涙のごはず一握の砂を示しゝ女を忘れず 「....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
璧の里に雛衣が去られた夫を怨ずる一章は一言一句を剰さず暗記した。が、それほど深く
愛誦反覆したのも明治二十一、二年頃を最後としてそれから以後は全く一行をだも読まな....
「「可愛い女 犬を連れた奥さん 他一編」あとがき」より 著者:神西清
『可愛い女』Dushechka に発表された。チェーホフの数ある作品の中でも最も
愛誦され、最も人口に膾炙した作品であろう。トルストイがこれを四度も続けさまに朗読....
「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
言った風で……傍には侍女が一人います。 詩集はかなり繙きましたが白楽天のは殊に
愛誦して居りましたし中でもこの長恨歌には深い懐かしみを持って居りました。何時か一....