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愛読
「愛読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
の美しさを発見した。しかし彼の自然を見る目に多少の鋭さを加えたのはやはり何冊かの
愛読書、――就中《なかんずく》元禄の俳諧《はいかい》だった。彼はそれ等を読んだ為....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
く恐れ入りました。」
馬琴は黙ってまた、足を洗い出した。彼はもちろん彼の著作の
愛読者に対しては、昔からそれ相当な好意を持っている。しかしその好意のために、相手....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
だった。しかし彼はいつの間《ま》にか元気らしい顔色《かおいろ》に返り、彼の絶えず
愛読している日本文学の話などをし出した。
「この間|谷崎潤一郎《たにざきじゅんい....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
か?」
K君のお墓と言ったのは夏目先生のお墓だった。僕はもう半年ほど前に先生の
愛読者のK君にお墓を教える約束をしていた。年の暮にお墓参りをする、――それは僕の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
倒れた石敢当《せきかんとう》も、中佐の眼には映らなかった。それは彼の頭には、一時
愛読したスタンダアルの言葉が、絶えず漂って来るからだった。
「私《わたし》は勲章....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は定めしお好きでしょう?」しかし不幸にも「つれづれ草」などは未嘗《いまだかつて》
愛読したことはない。正直な所を白状すれば「つれづれ草」の名高いのもわたしには殆《....
「或る女」より 著者:有島武郎
の書物も散らばっていた。
「まあ岡さんもなかなかのロマンティストね、こんなものを
愛読なさるの」
と葉子は少し皮肉なものを口じりに見せながら尋ねてみた。岡は静か....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
なることを空想していた。のみならず兵学校を卒業してからもモオパスサンの小説などを
愛読していた。人生はこう云うK中尉には薄暗い一面を示し勝ちだった。彼は××に乗り....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
。博文館は少くも世間を騒がし驚かした一事に於て成功した。小生は此の「大家論集」の
愛読者であった。小生ばかりでなく、当時の貧乏なる読書生は皆此の「大家論集」の恩恵....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
は、席を改めまして、が、富士見楼どころだろう。お伽堂の亭主の策略さ。 そこへ、
愛読の俥、一つ飛べば敬拝の馬車に乗せて、今を花形の女義太夫もどきで中洲の中二階か....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
源氏の――名も通う――桂樹という風がある。 お桂夫人は知らぬ顔して、間違って、
愛読する……泉の作で「山吹」と云う、まがいものの戯曲を、軽い頬杖で読んでいた。 ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
……」 「何か御用ですか?」 「いえ、唯お目にかかりたかっただけです。僕も先生の
愛読者の……」 僕はもうその時にはちょっと帽をとったぎり、彼を後ろに歩き出して....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
キーツの詩か? どうもぴったりと来ないな。あー、有ったぞ。彼等は『理想の良人』を
愛読するだろう。俺はまだ読んではいないが、既に大学の教授が称讃しているというくら....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ち我々にとつては理想的の獲物であるところの諸氏はほとんど例外なしに『中央公論』の
愛読者であると同時に、我々の作る映画はこれを「見ない先にすでに感心しない」ところ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
存する気になったのか今日の我々にはその真理が了解出来ないが、ツマリ馬琴に傾倒した
愛読の情が溢れたからであるというほかはない。私の外曾祖父というは決して戯作好きの....