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愛護
「愛護〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛護の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
前たちの母上の死によって、私は自分の生きて行くべき大道にさまよい出た。私は自分を
愛護してその道を踏み迷わずに通って行けばいいのを知るようになった。私は嘗《かつ》....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
十分に着いた。「大正十五年八月七日赤石絶頂を極む九十翁大倉鶴彦」と書いたのと植物
愛護のことを書いた硝子入の立札が立ててある。ここから聖岳は近いのだが、霧がかかっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
人の旅情は彼らの忘れ得ぬ歌であり、路傍に立つ古い道祖神は子供の時分から彼らに旅人
愛護の精神をささやいている。いたるところに山嶽は重なり合い、河川はあふれやすい木....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
に思う事ありとも珠運の如くそれを火上の氷となす者には素より持前の仏性を出し玉いて
愛護の御誓願空しからず、若又過ってマホメット宗モルモン宗なぞの木偶土像などに近づ....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
のとき光枝が感じたことは、物を壊すことは、案外気持のいいことである。もちろん物資
愛護の叫ばれる現下の国策に背馳する行為ではあったが、しかし光枝の場合は、壊すため....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
樹々は老い枯び痩せかじけて将に齢尽きんとし、或は半ば削げ、或は倒れかかりて、人の
愛護の手に遠ざかれるものの、自然の風残雪虐に堪えかねたる哀しき姿を現わしたる其の....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
た。彼は父母と、師長と、国土への恩愛を通して、活ける民族的、運命的共同体くにへの
愛護の本能によって、大蒙古の侵逼を直覚し、この厄難から、祖国を守らんがために、身....
「婦人と職業」より 著者:倉田百三
育とは母親にとって、もっと重く関心と、心遣いせらるべきものである。動物的、本能的
愛護と、手足の労働による世話と、犠牲的奉仕とが母性愛と母子間の従属、融合の愛と理....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
んな大きな損失を忍ばねばならぬというのは世にも悲惨なことだ。しかし俺たちは自分の
愛護する芸術のために最後まで戦わねばならない。俺たちの主張を成就するためには手段....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
私は単行本には引き受けられても文庫には引き受けぬといって拒絶するほど、文庫を尊重
愛護するのである。 典籍の範囲をいずれに限定すべきか、従来既刊の岩波文庫を見る....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ソ教を奉ずる国は富強にして、他教を奉ずる国は貧弱なるの例を挙げて、神はその信者を
愛護することかくのごとしという。 政教子曰く、ああこれ、なんの説明ぞや。ヤソ教....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
へ廻るさえあるに、それを小癪なとも恩知らずなともおっしゃらず、どこまでも弱い者を
愛護うて下さるお仁慈深い御分別にも頼り縋らいで一概に厭じゃとは、たとえば真底から....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
それまでのところでは、御子左の人たちは九条家、六条の人たちは土御門家というように
愛護者をたよって、その家の範囲内で歌合を催してはいても、京都を打って一丸とするよ....
「ラスキンの言葉」より 著者:小川未明
ずに、記念せんとならばその人が、生前に為しつゝあった思想や、業に対して、惜しみ、
愛護し、伝うべきであると。 まことに、詩人たり、思想家たる人の言葉にふさわしい....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
たりするに至って作戦に甚だしい妨害をしたのである。それ以来反動として極端に住民を
愛護し、馬糧以外は概して倉庫より給養する事となった。 傭兵の逃亡を防ぐためにも....