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感じ入る
「感じ入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感じ入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ふたりとも》御存じの事ですよ」と鼻子だけ大得意である。「へえー」と御両人は一度に
感じ入る。「御忘れになったら私《わた》しから御話をしましょう。去年の暮向島の阿部....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かかれたというわけだ」 「ううむ、そんな珍物かね」と、温厚学究君子のケプナラ君は
感じ入るばかり。果して、この奇獣は唯者ではなかった。やがて、折竹を導いて「|冥路....
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
たびに、喜ぶ者、頭を掻くもの。笑声、讃嘆の声々湧き、播磨守をはじめ一座ことごとく
感じ入る。 正面の庭に、月が昇る。 末座の一人 (左右を見廻して笑う)後は、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ごにょぎ》さまのお居間へなぞ――全く以て思いもかけませぬ――」
「その物がたさは
感じ入るが――しかし、相手は病人じゃ」
と、三斎は心安げに笑って、
「ま、望み....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ことをなさるなら、いよいよ何事が起るか、判らんではないか? お身の孝心は、宗城、
感じ入るが、父上一人の御機嫌をとるために、島津の家を亡ぼして、それが、賢人の道か....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
分に漏れず氏が繰り返したという一幕である。 それでも……作家よと呼ばれた作家に
感じ入る者あって、ポンと膝打って奮い立つ者ありとすれば、これは大したことにならん....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。 (残された跡を探して古屋のかたわらに座し、今を考えいにしえをおもって特に深く
感じ入る。書を読んだであろう窓の下に当時の燭台があり、天・人・造化に対する心を照....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
味いが一段と冴えます。小品に過ぎませんが、どこからその美しい形を捕えて来るのかと
感じ入るほどであります。玩具としては首人形がありますが、郷土色のあるものとして認....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
手紙にも、また沢庵どのからも、よく聞いておりました。――わけて、唯今のご要意には
感じ入る。不作法には似たれども、かねがねこの身へ御所望の試合も、これで果したと申....
「三国志」より 著者:吉川英治
服して、家中の端に加わる以上――なんで旧怨をさしはさむ理由があろう。そちの孝心は
感じ入るが、私怨に執着するは、孝のみ知って、忠の大道を知らぬものだ。……この孫権....