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感ずる
「感ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
勿論《もちろん》彼等の或ものは彼の嘲笑を憤った。しかし又彼等の或ものは彼の嘲笑を
感ずる為にも余りに模範的君子だった。彼は「厭《いや》な奴《やつ》」と呼ばれること....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
の醒《さ》めた後は一層彼を見じめにした。玄鶴はいつか眠ることにも恐怖に近い不安を
感ずるようになった。
大晦日《おおみそか》もそろそろ近づいた或午後、玄鶴は仰向....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
だから彼は場合によって、軽蔑《けいべつ》と好意とを、まったく同一人に対して同時に
感ずることが出来た。この近江屋平吉《おうみやへいきち》のごときは、まさにそういう....
「彼」より 著者:芥川竜之介
。
「少くとも僕はそんな気がするね。」
僕はそれ以来Kに会うことに多少の不安を
感ずるようになった。
(大正十五年十一月十三日)....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
か水泳かの選手らしい体格も具《そな》えていた。僕はこう言う彼女の姿に美醜や好悪を
感ずるよりも妙に痛切な矛盾を感じた。彼女は実際この部屋の空気と、――殊に鳥籠《と....
「女」より 著者:芥川竜之介
であった。蜘蛛は糸の敷物の下に、いつの間にか蠢《うごめ》き出した、新らしい生命を
感ずると、おもむろに弱った脚を運んで、母と子とを隔てている嚢《ふくろ》の天井を噛....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
マンスタアルのエアレエプニスという詩をよんだ時のような、言いようのないさびしさを
感ずるとともに、自分の心の中にもまた、情緒の水のささやきが、靄の底を流れる大川の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又乙の友人は甲の友人よりも金持ちにならず、互いに相手を褒め合うことに無上の満足を
感ずるのである。それから――ざっとこう云う処を思えば好い。
これは何もわたし一....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
もない。修理は勿論、この周囲の持っている怖れには反感を抱いている。しかし彼自身の
感ずる怖れには、始めから反抗のしようがない。彼は、発作が止んで、前よりも一層幽鬱....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
う》を通って来た蒙古産の庫倫《クーロン》馬である。すると彼の馬の脚の蒙古の空気を
感ずるが早いか、たちまち躍ったり跳ねたりし出したのはむしろ当然ではないであろうか....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
びにきっと飛び上った。こう言う彼等の戯《たわむ》れはこの寂しい残暑の渚と不調和に
感ずるほど花やかに見えた。それは実際人間よりも蝶《ちょう》の美しさに近いものだっ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
る自分にとって、到底不可能な事だからである。
が、もし読者がそれに多少の困難を
感ずるとすれば、ペックがその著「ヒストリイ・オブ・スタンフォオド」の中で書いてい....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
田君の生活を知ること、最も膚浅なる一人ならん。然れども君の微笑のうちには全生活を
感ずることなきにあらず。微苦笑とは久米正雄君の日本語彙に加えたる新熟語なり。久保....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
を徘徊さるるぞ」と問われたり。予もこの頃は巡査に訊問さるるは何にかかわらず不快に
感ずる頃なれば、「イヤ所用なければこそこの橋上を徘徊致すなれ」と、天晴よき返答と....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
こうして世の中を走り廻るにつけて、私はおん身と共に暮すことの幸福を、いよいよ深く
感ずるばかりである。」 ファラデーは諸方からもらった名誉の書類が挟んである。 ....