感に堪えない[語句情報] » 感に堪えない

「感に堪えない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感に堪えないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あの時分」より 著者:国木田独歩
の薄ぎたない門を出てゆく後ろ姿は、まだ僕の目にちらついている。」とさすがの上田も感に堪えないふうでした。 それから樋口の話ばかりでなく、木村の事なども話題にの....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
それを聴いていた其当時の青年が今やこゝに移り住むことになったのである。俯仰今昔の感に堪えないとはまったく此事で、この物語の原稿をかきながらも、わたしは時々にペン....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
1「文藝春秋」) 満洲の夏 この頃は満洲の噂がしきりに出るので、私も一種今昔の感に堪えない。わたしの思い出は可なり古い。日露戦争の従軍記者として、満洲に夏や冬....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ってるを見、現に千金を値いする大美術書を足下に踏まえてるを気が付くと、人世無常の感に堪えない。彼処には"Indian Archives"が炭のように焼けておる。....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
なる人生よ。」 ラザルスは沈黙を続けていると、皇帝はますます高潮して来る厳粛の感に堪えないように、なおも言葉をつづけた。 「死の牙から辛うじて救われた、哀れな....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
対して、永遠の戦を交えつつある。 問『さまで有力なる魔群の存在することは、意外の感に堪えない。世に悪の存在を否定する論者もあるではなきか?』 悪霊の存在――善....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
を見た。その頃の新宿の夜はまだ暗かったのである。今日の新宿に比べると、実に今昔の感に堪えない。 今日の若い人達も薄々その噂を聞いているであろうが、その当時にお....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
う。一仕事でございましたよ。」曾乃刀自はこういって、娘の静代を顧みて、いかにも同感に堪えないというような表情をする。 「それにまた実を取らないでそのまま附けて置....
科学的新聞記者」より 著者:桐生悠々
と言った語に、若い血を躍らせる。かかる時代は再現しないだろうけれども、昔恋しさの感に堪えない。降って「社会の反射鏡」説に至り、新聞はここに一の技術となったけれど....
小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
写し絵などで幾度も見せられたものである。こんなことを書いていながらも、一種今昔の感に堪えないような気がする。 そういうわけで、芝居の方では有名でありながら、そ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
爾来四十余年といえばかなりに長い月日ではあるが、その間の推移を考えると実に今昔の感に堪えない。「泉三郎」は明治三十九年の春、先代の片岡市蔵――その頃は十蔵といっ....
郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
震災以来、諸方を流転して、おちつかない日を送ること一年九ヵ月で、月並の文句ではあるが光陰流水の感に堪えない。大久保へ流れ込んで来たのは去年の三月で、もう一年以上になる。東京市....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
京近傍の温泉場も皆こんな有様であったのであるから、現在の繁華に比較して実に隔世の感に堪えない。したがって、昔から温泉場には怪談が多い。そのなかでやや異色のものを....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に文学を煽り立てられ、弟分に等しい矢崎ですらが忽ち文名を揚ぐるを見ては食指動くの感に堪えないで、周囲の仕官の希望を無視して、砂を噛んでも文学をやると意気込んでい....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
近くは直隷軍の惨敗の結果が宣統帝の尊号|褫奪宮城明渡しとなって、時事日に非なりの感に堪えないで腕を扼しているだろうが、依然信州の山河に盤踞して嵎を負うの虎の如く....