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感冒
「感冒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感冒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
ばならなくなって来た。 病勢がこんなになるまでの間、吉田はこれを人並みの流行性
感冒のように思って、またしても「明朝はもう少しよくなっているかもしれない」と思っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が済まないので、その明くる晩、寒い風を衝《つ》いて赤坂へ出かけると、老人はすこし
感冒の気味だと云うので、宵から早く床にはいっていた。その枕もとで手帳を取り出すわ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
上に湯にはいったせいか、少し風邪気味で熱を感じたのだ。肺をわずらっていた僕には、
感冒はほとんど年じゅうのつきものであり、そしてまた大禁物だった。が、ちょっとでも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
病気かな」と、仔細ありげに訊いた。 「さあ、まだ何とも云ってまいりませんが、流行
感冒でも引いたんでございましょう」 武士は黙ってうなずいていたが、やがて着物を....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
染という可愛らしい名をかぶらせたかと詮議すると、江戸時代にもやはりこれによく似た
感冒が非常に流行して、その時に誰かがお染という名を付けてしまった。今度の流行性感....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
ている男だが、向うではとうとう風一つ引かずに出て来た。そして出るとすぐ例の流行性
感冒にやられて一月近く寝た。 こういった冬の、また千葉でのある日のこと。教務所....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
して、金博士が地軸を廻せば、新北極や新南極に当った土地の住民は、ぶうぶう云うか、
感冒に罹って死ぬるのが落ちであろうが、寒帯から一躍温帯に変ったかのエスキモー人な....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
脚ならんでいた。 老人は自分がこの家の主人であると言った。この頃はここらに悪い
感冒がはやって、自分の妻も二人の雇人もみな病床に倒れているので碌々にお構い申すこ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
りには填まらぬもので、この二三箇月前から主はブラブラ病いついて、最初は医者も流行
感冒の重いくらいに見立てていたのが、近ごろようよう腎臓病と分った。もっとも、四五....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
お染という可愛らしい名を冠らせたかと詮議すると、江戸時代にもやはりこれに能く似た
感冒が非常に流行して、その時に誰かがお染という名を付けてしまった。今度の流行性感....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
こえて、霜に吠える家々の犬の声が嶮しくなる。朝夕の寒気は市内よりも確に強いので、
感冒にかかり易いわたしは大いに用心しなければならなかった。 郊外に盗難の多いの....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
校の入学試験をうけんといい、その準備のために川端画学校に通いいたるに、かりそめの
感冒が大いなる禍の根を作りて、夏の盛りを三月あまりも病み臥して、秋|闌ならんとす....
「自分を鞭打つ感激より」より 著者:小川未明
しい姿で、よく生を保ちつゝあった強い姿を忘れることができません。 また、村で、
感冒が流行した時分にも、貧乏人の子供は、足袋も穿かず、木枯しの吹く中を薄着をして....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
開をすると肺や肋膜を悪くしたり、――それはどちらに基因があるかわからないがね――
感冒の薬を飲めば胃をこわしたりする。体内の各種の機関は凡てが連絡なしには作用しな....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
ず、只管松吉の成長を楽しみに、父と二人で働きました、ところが、昨年の冬、ふとした
感冒がもとで松吉は肺炎になりました。 実子ではないが、大変可愛がって居りました....