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感奮
「感奮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感奮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《じゅうび》なれども言々風霜を挟《さしはさ》みて、凛《りん》たり、烈たり。馭者は
感奮して、両眼に熱涙を浮かべ、 「うん、せっかくのお志だ。ご恩に預かりましょう」....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
り下しおかれるよう取り計らって得させよう」といった。 そう答えられると、玄白も
感奮した。 「されば、必ずこうという目当てはござりませねども、是非とも用立つもの....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
仔細も有ろうけれど――」と言い掛けて猶言葉も終わらぬに、聞いて居た権田時介は全く
感奮した様で身を投げ捨てる様に立ち上った、悪人が翻然として善人に立ち返るは此の様....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
つべしも」という句が入ったり、兎に角憶良の歌を模倣しているのは、憶良の歌を読んで
感奮したからであろう。 一首の意は、大丈夫たるものは、まさに名を立つべきである....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
て私は、私の無力を知りながら、この偉大な先生のために碑銘を書きしるすことの光栄に
感奮し、筆も折れよと握りしめて、そして書いた。 この町に仁術を施す騎士住みたり....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
に感想がない状態だった。 生き残った僅かばかりの同僚の中にも、祖国の土をふんで
感奮する者もあり、再び見る祖国を涙の目で望んで、拾ってきた命だから、これからは新....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
なはだしく、深刻きわまる反応であった。 しかし、アンマのパチンコが彼らをかくも
感奮せしめるところを察するに、彼らはすべて敗軍の将なのだろう。私はパチンコをやら....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
するという倫理的な根拠なくして、単なる物的必然力によって、人間は犠牲的奉仕にまで
感奮することは出来るものではない。 倫理思想は内側から社会を動かす原動力である....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
破れて雨がもり寒風が吹きすさんでも修理ができないから、なんとかしてくれよ、信長を
感奮勇躍せしめるよりも、哀れさに毒気をぬかれる方が先である。 もとより、信長の....
「座右第一品」より 著者:上村松園
も止まっていないものもあります。ですが私の縮図帳には其の時その時の涙が織り込まれ
感奮が描き込まれているわけでございますから、忘れようとしても忘れられぬ思い出があ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
にはその後段々近接し、沼南門下のものからも度々噂を聞いて、Yに対する沼南の情誼に
感奮した最初の推服を次第に減じたが、沼南の百の欠点を知っても自分の顔へ泥を塗った....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
からであった。そして彼はその肉体を錐で刺す苦痛によって修道の妨げを除く僧の事蹟に
感奮している。これでは、彼の慾望と手段との間に矛盾があるようだが、それは別問題と....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
しまいだ。
先触種々の詩人等を紹介す。自然詩人、宮廷詩人、騎士詩人、温柔詩人、
感奮詩人あり。皆自ら薦むるに急にして押し合ひ、一人も朗読の機会を得ずして已む。一....
「新童話論」より 著者:小川未明
最もよき代弁者ともなるのであって、いまゝでの如く強圧することのかわりに、内部的に
感奮興起せしむるに至るのであります。常に、いゝ作品は、強いられたる感激でなくして....
「自分を鞭打つ感激より」より 著者:小川未明
芸術を見んとする輩が、出でんとしつゝあります。私が、曾て、ロシア人の話を聞いて、
感奮した如く、もっとそれよりも、赤裸なる、悲痛な人生に直面して、限りない興奮を感....