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感性
「感性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
れるといった――あの伊達《だて》姿にはないのである。いやむしろ、そのような反抗や
感性などを、根こそぎ奪われてしまっている世界があるとすれば、かえってその力に、真....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
呼ぼう。この少女は、はちきれるような素晴らしい肉体を持っているのに、精神的には不
感性に等しく、無類の潔癖だった。すべて彼女の背後にある厳格な教育が、彼女をそうさ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
経験する女の愛と憎みとに焼け爛らされ、大概の女の持つ範囲の感情やトリックには、不
感性になったのではあるまいか。そう云えば、むす子の女性に対する「怖いもの知らず」....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
豊麗な逸楽的な、しかも、ある驚くべき霊智を持った人間以外は、とうていその不思議な
感性に触れることが出来ないのだ。伸子は、あの陳腐きわまる手法に、一つの新しい生命....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
もつかない斯んな夫人の言葉も、ジャネットには気にかゝらない――ジャネットの若い敏
感性がベッシェール夫人の人の好さを、すっかり呑み込んだらしかった。それよりか、つ....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
ありながら花である。死にして生、そこに芳烈な匂いさえも感ぜられる。私は、心理の共
感性作用を基調にするこの歴史上の芸術の証明により、自分の特異性に普遍性を見出して....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
事の不利は、すでに汝の熟知せる所であろう。要するにわれ等の求むる所は、受動的の敏
感性であって、かの怠慢と無感覚より来る所の、単なる受動的状態ではない。刺戟性の酒....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
約性を承認せずにはいられない。それとともに人間生活の本能的刺激、生活資料としての
感性的なるものの抜くべからざる要請の強さに打たれるであろう。この三つのものの正当....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
の鑑である。われらはこれを世界にほこりたい。 もしこれをしも軽んじ、もしくは不
感性の娘があるとしたら、それはその化粧法の如く心まで欧化してしまった異邦人の娘で....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
だという意味ではありませんが、先ず精神的な方面から云えば、俳優に最も必要な素質は
感性、あるいは感受性です。これは英語でセンシビリティと云っております。これは、物....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
勝手にしろ」に、だんだん、自信がついて来たことです。それもその筈で、豊かな、鋭い
感性と、稀にみる複雑な性格とによって、彼の「勝手にしろ」は、箸にも棒にもかからぬ....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
ありながら、それが常識を逸して居らず、妥当性を失って居ないのは、彼の特異な体質と
感性とに基づいての観察を飾りなしに極めて自然に表白して居るためであろう。彼の随筆....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
いを受けている。佐々木に言わせれば、笹川の本能性ともいうべき「他の優越に対する反
感性」が、佐々木の場合に特別に強く現われている言うのだ。――こうしたことを読んで....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ときどきはエセックス伯爵が留守のときもある。そうだとすれば、彼女のあのすばやい敏
感性、わがままいっぱいな気紛れから、自分たちにどんな仰せがおりかかってくるやらわ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
感受しているものだということは分ろう。そしてその美しさは詠嘆調の美しさではなく、
感性的な美しさであることもたしかである。こうした美しさは、近代でいえば木下利玄の....