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感情的
「感情的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感情的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
じた葉子は、謀叛人《むほんにん》のように知らず知らず自分のまわりの少女たちにある
感情的な教唆を与えていたのだが、自分自身ですらがどうしてこの大事な瀬戸ぎわを乗り....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
たしかに見たり聞いたりしたと確信しているのである。
要するに、根柢において父は
感情的であり、母は理性的であるように想う。私たちの性格は両親から承《う》け継いだ....
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
うに消えてゆくのであろう」という感動なのであったが、消えてゆく男の姿はそんなにも
感情的であった。 その家の前を過ぎると、道は溪《たに》に沿った杉林にさしかかる....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ためわれわれのクラスが学校当局からねらまれるようになったら、迷惑である」とかなり
感情的な反対意見を述べたのが、癪にさわったからだった。 (ねらまれるとはなんだ!....
「弓町より」より 著者:石川啄木
その責任を回避する心から判断をごまかしておく状態である。趣味という語は、全人格の
感情的傾向という意味でなければならぬのだが、おうおうにして、その判断をごまかした....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
斥けた時はどうだ。それでも愛は二倍されている事と感ずることが出来るか。それは一種
感情的な自観の仮想に過ぎないのではないか。或は人工的な神秘主義に強いて一般的な考....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
、自己に同調せざるものを一口に「フアツシヨ」とか、「全体主義」とか、理性をこえた
感情的惡罵に使用する傾向あることは十分の戒心を要するであろう。即ち全体主義に関す....
「海底大陸」より 著者:海野十三
に反対する学者は少なくなかった。はなはだしい反対論者の中には、学問の領域をこえて
感情的になり、長良川博士をののしる者さえ出てきた。 英国においては、その方の最....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
えている様子をみて逸作が纏りよく答えた。 「つまり、これがですな。性質があんまり
感情的なんで、却って性質とまるで反対な哲学なんて、理智的な方向のものを求めたんで....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ている夫から明確な指図は得られないのを承知でしじゅう用件だけ報じて来た。うっかり
感情的のことを書いて、西洋へ行ってひらけた人になっている夫に蔑まれはしないかとい....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
逢っては叱ったり指導したりする役だった。普通生活には少しだらしなかったが、本当は
感情的で頭の鋭い正直な男子だった。)そしてやっぱり一人息子にぞっこんな主人逸作へ....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
を御判断なさい。あなたは由緒ある家に生まれ、生活の苦闘を続け、今は成功している。
感情的で他人の世話をする。その世話はことごとく裏切られる。それでも信念は一々それ....
「越年」より 著者:岡本かの子
、どうか同情して貰いたいとあせった。しかし僕は令嬢というものに対してはどうしても
感情的なことが言い出せない性質です。だから遂々ボーナスを貰って社を辞めようとした....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
かと思いはしたが、そのときの私には人の身の上を深く批判している余裕もなく、一途に
感情的な気持ちになって、それが自分達の身の上にふりかかっているせつなさと入り交っ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。けれどもそれらが今日から見て文学と感じられるようになったのは和歌風に彩どられた
感情的表現にたすけられて、それによって文学と感じられるものが随分多いのであって、....