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感慨
「感慨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感慨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
浮んで来るのじゃ。現に昨夜《ゆうべ》も。――」
こう云いかけて、あの沙門はさも
感慨に堪えないらしく、次第に力の籠って来た口をしばらくの間とざしました。
....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
樗牛が月夜か何かに、三保《みほ》の松原の羽衣《はごろも》の松の下へ行って、大いに
感慨|悲慟《ひどう》するところがあった。あすこを読むと、どうも樗牛は、いい気にな....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
たちもまだ帰らなかったんだな。」
Mの声は常談《じょうだん》らしい中にも多少の
感慨を託《たく》していた。
「どうだ、もう一ぺんはいって来ちゃ?」
「あいつ一人....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
のように笑ったり話したりする気はなかった。唯きょうまで知らなかった、妙に息苦しい
感慨の漲って来るのを感じただけだった。 番紅花の紅なるを咎むる勿れ。 桂枝の匂へ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
か……畜生。 ヤコフ・イリイッチはイフヒムの言った事を繰返して居るのか、己れの
感慨を漏らすのか解らぬ程、熱烈な調子になって居た。 畜生。其奴を野郎見付ければひ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
だのでございましたが、私は何は措いても先ずこの鈴懸を紹介しました。その際誰よりも
感慨深そうに見えたのは矢張り良人でございました。良人はしきりに馬の鼻面を撫でてや....
「端午節」より 著者:井上紅梅
かい続けて今日に及んでいる。 彼はこの平凡な警句を発見してから少からざる新しき
感慨を引起したが、同時にまた幾多の新しき慰安を得た。たとえば目上の者が目下の者を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
言いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、夜食早くしたためて床に入りしが、既往将来の
感慨に夢も結ばず。雁の声いとど憐なりし。峠を越え山を下り野にはいろいろの春の草、....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
だ皇后陛下でいらせられた際のことであり、考えてみますと、筆者の私としましても深い
感慨に打たれまして、まことに恐懼の念に堪えないしだいでございます。 さもあらば....
「軽女」より 著者:上村松園
めてもの名残りにと、ととのいもてなした酒肴を前にして、内蔵助もさすがにもののふの
感慨に胸をあつくしたことであろう。 お軽はうち萎れながらも、銚子をとって内蔵助....
「随想」より 著者:上村松園
は出来得ない。 真に現時の絵画を、過去のそれに比較するに及んでは、格段の趣きで
感慨殊に深きを覚ゆる。ずっと以前に如雲社という会が京都であって、確か毎月裏寺町で....
「西航日録」より 著者:井上円了
艦露兵西又東、大陸風雲日将急、黄竜何歳見晴空。 (上海の市街を一望して往時を思い
感慨きわまりなく、英国の軍艦や露国の兵が西より来たり、東より来たる。中国大陸の風....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
もならず、船は異域に入ってしるしの物も新しい。一人旅の身にとってもどうして多少の
感慨なしといえよう。はじめて赤道より南に身をおく人となったのだから。) 赤道を踰....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
その間数々の小作争議、鉱山争議、工場ストを経験したが、いまのストライキにくらべて
感慨無量なものがある。 早大在学中、ふと足尾銅山のメーデーに参加したことが、私....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
塞化すべきを断じたのであったが、この後、間もなく実現したので、当時列席した人から
感慨深い挨拶状を受けたことがあった。 ドイツ留学の二年間は、主として欧州大戦が....