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感慨無量
「感慨無量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感慨無量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
してはまた、郷里《ふるさと》を想い、自分達の活動を想い、淋しい生活を振り返って、
感慨無量《かんがいむりょう》の涙にくれるに相違ないのです。 ○ ....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
外に足を踏み出すときがきた。大地を歩くなんて、一千年以来のことだと思うと、じつに
感慨無量であった。 外へ出てみると、そこは掘りかけたトンネルのようなところだっ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
で真剣。 「全員戦死だ」と最後に倉光君が口を開く。「時と所を異にして……」。一同
感慨無量。 ◯夜半、盛んに起される。最後に侵入の一機も、原子爆弾を抱いてくるかも....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の部下にいたことがあるんだが……あの精神家の息子かね……」 部長はちょっとの間
感慨無量といったような風で、ひとり言のように言っていたが、やがて自分に帰ったよう....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
眺めよ。あの悲しい思い出の山、剱岳に圧倒されんとしてなお雄々しく高く聳えている。
感慨無量。 二十八日 曇 七・〇〇発 一一・〇〇唐沢出合 三・〇〇スキー・デポ ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ぼったい金縁の聖書其他の調度がありし日の姿そのまゝに残っている。石子刑事が見たら
感慨無量であろう。相対した男女の二人は支倉の妻の静子と写真師浅田である。 庭に....
「天馬」より 著者:金史良
たまま人垣を押して中の方へぬっと現われ出た。そこで暫くの間目尻を下げて、いかにも
感慨無量といった様子でしげしげ桃の枝を打ち眺めた。何故かしら惻々《そくそく》と胸....
「流線間諜」より 著者:海野十三
と消えたので彼もすこしは本望じゃろう」 そういって牧山大佐の声が受話器を通じて
感慨無量といった顔をしている帆村の耳に響いた。 それから巨人機は恐ろしいほどス....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
が町の人々に「肝臓医者」とよばれていることを、はじめて知ったのである。 先生は
感慨無量であった。 先生と肝臓炎との出会は、はじめから劇的奇怪性突飛性をはらみ....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
高の寮歌が、カリフォルニヤ大学のカムパニールからチャイムとなって響いているのだ。
感慨無量の体で涙ぐみながら聞き入っているのは一高出身の向野元生氏。その傍に立って....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
太閤の朝鮮役は前後七年かかった。このたびの支那事変はまだ僅かに三年。思いくらべて
感慨無量であった。 十六日夜半、東京へ向けて京城をたった。翌朝釜山で鯛釣りを試....
「楢の若葉」より 著者:佐藤垢石
……。 鏡に映るわが白き鬢髪を見て、年毎に亡き父の俤に似てくるわが姿を想って、
感慨無量である。....
「みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
言問の水上に、みやこ鳥の灯篭流しをして満都の人気を集めた団子屋の主人もいま地下に
感慨無量であろう。 六 ケースの中から、長唄『都鳥』の音譜を取り出し....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
その間数々の小作争議、鉱山争議、工場ストを経験したが、いまのストライキにくらべて
感慨無量なものがある。 早大在学中、ふと足尾銅山のメーデーに参加したことが、私....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
いしたんですが、立派な奥様で、頭のいい、美しい方でしたがねえ」 夫人もさすがに
感慨無量という風に深い沈黙に陥ってしまった。 私は翌日の朝刊を待ちかねた。東伯....