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「感懐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感懐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
るものが尋常普通の品ではないので、仙骨《せんこつ》を帯びだしたご老体は風流韻事の感懐を託したみそひと文字、血のけの多いあで人たちはいわずと知れた恋歌。お時世がお....
運命」より 著者:幸田露伴
り。詩は蓋し其の心を用いるところにあらずと雖も、亦おのずから観る可し。其の王仲縉感懐の韻に次する詩の末に句あり、曰く 壮士 千載の心、 豈憂へんや 食と衣とを。....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
三・三五四)があって、私の解釈の無理でないことを示している。 この歌は※旅中の感懐であって、風光の移るにつれて動く心の儘を詠じ、歌詞それに伴うてまことに得難い....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
あるですよ」 「そう。悪者というのかも知れないわね」 青木の言葉をひきとって、感懐をもらしたのはルミ子であった。青木の皮肉な心をひきつがずに、言葉だけを平静に....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
大黄河にもみまくられて育ったシナの歴史や文化にくらべれば、飛鳥川に有為転変の感懐を託していた日本文化の源流というものは、温室育ちも極端であり、あまりにも小さ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のです。私自身の生死のことではなく、風守さまという架空のお方の生死について偽らぬ感懐でありましたろう。 コクリサマの予言を見て確信的に否定したのは、風守さまを....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
来たのだ。衛門も、お前も、……みんながまたこうしてそろった。……(しみじみとした感懐で)……ああ、これでお前のお母さんさえ生きていらっしゃったら、本当に申し分な....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
情味の芳醇な山の姿。どうして、こんないい国を亡ぼすことができよう。人々の抱くその感懐が伝統の強き情操に育まれきたったであろうと思う。 わが国土の「美」を決して....
中支遊記」より 著者:上村松園
のことを思わずにはいられない。これは恐らく支那を歩いている間、誰の胸をも離れない感懐だろうと思う。 楊州にて 娘と母親が漕ぐ画舫は五亭橋へ向っていた....
西航日録」より 著者:井上円了
聳宝林中、堪喜千年後、猶看此梵宮。 (遠く釈尊成道の地に来て、地に俯し天を仰いで感懐きわまりなく、正覚山の前に月あり、尼連河のほとりに風ふき、釈尊の跡は霊樹のも....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
の手紙もまだ届かぬうちに、年ははや暮れようとする。ならばよし、東風に託して旅人の感懐を伝えよう。) 二十八日、晴れ。午後驟雨あり、晩に雷鳴を聞く。終日、船中餅....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
等の新しい土地に対して、もはや自分達の墓墳の地もここにおいて他にないというほどの感懐を深めるであろうか、それならばまたその覚悟の裡に幸福があるであろう。私はそう....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
えたりするうちに、表現は自ずと個人の癖をよく出すようになり、読者も特定の一個人の感懐としてその意味を汲みとることに馴れてくる。読む歌は急速に個人的な創作に変貌す....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
ころが、それを受け取って読まれたその日に偶然伊藤君のお宅もまた焼けた。そしてその感懐を記述された文が深沢君の記事の附録となって、その当時自分のもとに致されたので....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
講座」「日曜講演」の掲示に立交る「子供洋服講習会」の立札を見出したとき、わたしの感懐に背いていよ/\「時代」の潮さきに乗ろうとする古いその町々をはっきりわたしは....