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「感服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
通り、礼儀正しく座についた。 「へへえ、朝湯に。なるほど。」 市兵衛は、大いに感服したような声を出した。いかなる瑣末《さまつ》な事件にも、この男のごとく容易に....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
て返そう。」――彼はこう云い放って、一人旅籠へ引き返した。喜三郎は甚太夫の覚悟に感服しながら、云われた通り自分だけ敵打の場所へ急いだ。 が、ほどなく甚太夫も、....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
が人に褒められても「役者にしては意外な人物だよ、」と云われた通りに、紅葉や露伴の感服されたのも「小説家にしては――」という条件付きであったのである。 三文文学....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
が、私としては天狗さんの力量に驚くよりも、寧しろその飽くまで天真爛漫な無邪気さに感服して了いました。 『あんな鹿爪らしい顔をしているくせに、その心の中は何という....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
それで納得するのだ。 彼は説く。 「わたしは北京《ペキン》の双十節の次第を最も感服するのである。朝、警官が門口に行って『旗を出せ』と吩咐《いいつ》ける。彼等は....
不周山」より 著者:井上紅梅
の樹の葉の上にある黒点よりも、遥に小さい。彼女はかえって、その技術の精巧なことに感服した。 「これは何だ?」彼女は好奇心に駆れれて、また思わず訊かずにはおられな....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
できるか、わたしは知らない。わたしにとっては女はいつも謎のようなもので、ただただ感服するばかりだった。あるものは、突けば壊れる急所がひとつしかない、中に入る入口....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
で道学先生視されて、小説を忌む鴆毒に等しい文芸憎悪者にも馬琴だけは除外例になって感服されてるが、いずくんぞ知らん馬琴は忠臣孝子よりは悪漢淫婦を描くにヨリ以上の老....
迷信解」より 著者:井上円了
ちまち歯痛を忘れ、その妙ほとんど神のごとくに見えたり。老婆そのそばにありて大いに感服し、家に帰らば自らその法を試みんと思いおりしが、たまたま隣家の小児の歯痛に悩....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
戯曲を尊重する気がしなかった。坪内逍遥や高田半峰の文学論を読んでも、議論としては感服するが小説その物を重く見る気にはなれなかった。 私が初めて甚深の感動を与え....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
頽るるともビクともしない大西郷どんさえも評判に釣込まれてワザワザ見物に来て、大に感服して「万国一覧」という大字の扁額を揮ってくれた。こういう大官や名家の折紙が附....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
た。 緑雨の随筆、例えば『おぼえ帳』というようなものを見ると、警句の連発に一々感服するに遑あらずだが、緑雨と話していると、こういう警句が得意の、人品、音声、表....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
時急に国へ帰るってましたから。」 「それは君、島田が帰らせるんだよ。島田には実に感服したよ。Yがオイオイ声を出して泣いて詫まった時にダネ。人間てものは誰でも誤っ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
人形同様で何の役にも立たないと頭から蔑しつけ、下等女の阿婆摺を活動力に富んでると感服したり、貧乏人の娘が汚ない扮装をして怯めず臆せず平気な顔をしているのを虚栄に....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
たろう。 が、二葉亭は革命党の無力を見縊っていても、その無思慮な軽率なヤリ口に感服しなくてもまるきり革命が起るのを洞観しないじゃなかった。「露西亜は今噴火坑上....