感染[語句情報] » 感染

「感染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感染の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
《しきい》の内へは滅多に足も入れたことはなかった。それは舅《しゅうと》の肺結核に感染するのを怖《おそ》れる為でもあり、又一つには息の匂を不快に思う為でもあった。....
競馬」より 著者:織田作之助
中の歴史の教師になったという男にあり勝ちな、小心な律義者《りちぎもの》で、病毒に感染することを惧《おそ》れたのと遊興費が惜《お》しくて、宮川町へも祇園《ぎおん》....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ないって言いますけれど、私は色のついた痰を吐きますから、大切なお身体に、もしか、感染でもするとなりません。」 覚悟した顔の色の、颯と桃色なが心細い。 「可いわ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
昔の人の料簡は、おそらく恋風と云うような意味で、お染が久松に惚れたように、すぐに感染するという謎であるらしく思われた。それならばお染に限らない。お夏でもお俊でも....
死者の書」より 著者:折口信夫
であった。 其は其として、昔から家の娘を守った邑々も、段々えたいの知れぬ村の風に感染けて、忍び夫の手に任せ傍題にしようとしている。そうした求婚の風を伝えなかった....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
にわれ等の事業を摸倣し、ひたすら迷える者の歓心を買うべくつとめるから、其伝播力、感染力は驚くべく強大である。彼等は神の敵であると同時に人類の敵である。善の敵であ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
その次の疑いはかの花環であった。その花に毒薬でも塗ってあって、それをかいだ富子に感染したのではあるまいかという、西洋の小説にでもありそうな想像説も起こった。そう....
麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
そこに一種のマラリヤ熱のようなものが潜んでいて、蚊から伝染するか、あるいは自然に感染するか、どの道その熱病にかかると、人間の頭がおかしくなって急に気違いのように....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
々が其の病気を吾々自身の中に養う事にどれ程の満足を感じても、吾々の其病気を民衆に感染させてはならない。吾々よりも更に健全な、更に値打のある種族をつくる事に努めな....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
間もなく又琴之丞も吐血して死んで、六浦の家は断絶して了った。琴之丞の肺病がお玉に感染したのか、お玉の方にその気があって感染したのか、そこは不明。 六郷川の中洲....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
、引き擦るでもない踏み締めるでもない栖鳳先生独特の歩きつきが、いつの間にか弟子に感染してるのです。歩きつきばかりでなく、坐られた時肩の落ちた容子だとか、片腕組ん....
妖怪学」より 著者:井上円了
その父母および乳母のこれに信仰を置くときは、知らず識らずの間に、その信仰の小児に感染するものなり。小児は無心なり。無心なるをもって感染しやすし。父母不快を感ずれ....
二階から」より 著者:岡本綺堂
えた昔の人の料見は、恐らく恋風というような意味で、お染が久松に惚れたように、直に感染するという謎であるらしく思われた。それならばお染には限らない。お夏でもお俊で....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
て総督は、緑の荒野を、奥へ奥へと分け入りながら、彼もまた――しだいに環境の毒気に感染し始め、物事のはっきりした識別を失い、なにが空想であり、なにが現実であるかも....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ば保守的の英国にして、欧州大陸風に漸化せる傾向あるを見る。あるいはまた、米国風に感染せるところあるがごとし。しかれども、ロンドンの日就月将の繁栄は、ただ驚くより....