感無量[語句情報] » 感無量

「感無量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感無量の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
パンドラの匣」より 著者:太宰治
事に於いては、敢えて人後に落ちないつもりだ。 「あのひとが、ねえ。」しばらくは、感無量であった。 「いや、はっきりした事はわからんよ。」と君は少しうろたえて、「....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いる人もある。江戸は底知れずおそろしいところだ、と苦労知らずの三粋人も、さすがに感無量の態であった。 小桶に一ぱいのぼうふらを、たった二十五文で買ってもらって....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
深く無と帰してしまったのだ。 私は烏賊虎さんから先生の生涯の事蹟をきき終ると、感無量であった。このような仁者を、このような粉骨砕身の騎士を、業半ばにして海底の....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
がら関ヶ原を歩いてゐた。たゞこの古戦場を見るために帰りの旅に陸路を選んだ甚兵衛は感無量であつた。小西行長の祐筆の家に生れた彼は幼少のため関ヶ原の合戦に参加せず、....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
せん。サラリーマンでも土方でも、御指図通り、なんでも、やります」 「うれしいわ」感無量。ただ感謝の一言。サルトルの発奮感動、いかばかり。 「でも、サルトルさん。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ず第一段は成功。お龍もよんで労をねぎらい、お龍のお酌で乾杯する。一力も話をきいて感無量。 「そういうものかねえ。しかし、昔のことは忘れた。あんたは誰だ、というお....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
苦しみが、ふと感じられたのである。この植物にも人間の悩みがあるのかなア、と菅谷は感無量であった。そう云えば、カモ七にもなかなかシンの強い強情なところがある。思い....
雪の宿り」より 著者:神西清
が、いざそれが吾身のことになって見ますれば、そぞろに昔のことも思い出でられて洵に感無量でございます。この度の戦乱の模様では、京の町なかは危いとのことで、どこのお....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
やられたように思われます。私は金鍔神父の捕われた穴ボコの中にたち、海を見下して、感無量でしたよ。それは悲劇的ではなくて、牧歌的――いわば、彼だけは切支丹史上に異....
歴史の流れの中の図書館」より 著者:中井正一
間を、ここに閲《けみ》したというべきであろう。開館の六月五日を思い返して、うたた感無量なるものがある。 日本全国図書館の本の綜合目録を造ることによって、全情報....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
になり、水谷氏また病み、平野氏も違った陣営にあることを思うと、十年の歳月を感じて感無量である。 ついで社会党は二十一年の総選挙で九十八名、二十二年の総選挙で百....