感覚的[語句情報] »
感覚的
「感覚的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感覚的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
た。「じゃ小説に書くのにも、夢と色恋とはむずかしい訳だね。」「少くとも夢なんぞは
感覚的なだけに、なおそうらしいね。小説の中に出て来る夢で、ほんとうの夢らしいのは....
「或る女」より 著者:有島武郎
かのすみでは考えていた。そのくせ、それを物々しく恐れるでもなかった。からだまでが
感覚的にしびれるような物うさを覚えた。
若者が現われた。(どうしてあの男はそれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
さにひしひしと襲われて、――それはその時見た夢がそんな暗示になったのか、それとも
感覚的な不満が目をさましたのかわからなかった――葉子は暗闇《くらやみ》の中に目を....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
った、という打ち明け話も、にわかに思い出されて、なまなましい嫉妬が、今更のように
感覚的に甦った。 木崎はもはや、妻の過去に寛大な夫ではなくなり、嫉妬に背を焼か....
「競馬」より 著者:織田作之助
すうす》知っていたが、住所を教えていたところを見ればまだ関係が続いているのかと、
感覚的にたまらなかった。寺田はその葉書を破って捨てると、血相を変えて病室へはいっ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
。(この女もあいつの自由になることを喜んでいたのだ! 丁度こんな風に……)それを
感覚的に想像するに及んで、彼の苦悩は極まった。 自尊心を問題外に考えても、感覚....
「世相」より 著者:織田作之助
ていたのだが、しかし寒そうに顫えている横堀の哀れな復員姿を見ると、腹を立てる前に
感覚的な同情が先立って、中へ入れたのだ。横堀の身なりを見た途端、もしかしたら浮浪....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
的な思惟の皺から放出されてゆくものは、黙示図の図読といいこれといい、すでに人間の
感覚的限界を越えていた。
「では、御存じなければ申し上げましょう。たぶん、奇抜な....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いいえ、そんな匂いなどはしません。それはあなたの心の迷いです。匂いというものは、
感覚的なものと精神的なものとを一緒にした一種の要素ですから、時どき、こういうふう....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
た勢もありはしないか。 かの子 ここの所|一寸そういう風な状態ですね。極く繊細な
感覚的な拾物程度のものは一部の人の中に入って来てはいるけど。 一平 だから今じゃ....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
るはずである。我々は何も音楽家の力を借りて判じものをやろうとしているのではない。
感覚的に画面とぴつたり合致さえすれば桜の場面に紅葉の曲を持つてこようと、あるいは....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
う。このときに、音響効果を適当にやれば、普通のドラマでは到底出せないような新しい
感覚的な娯楽放送を聴取者のラウドスピーカーに送ることが出来ように思っている。 『....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
弁というものは語り物的に饒舌にそのねちねちした特色も発揮するが、やはり瞬間瞬間の
感覚的な表現を、その人物の動きと共にとらえた方が、大阪弁らしい感覚が出るのではな....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
る!」 罪の意識というほどの宗教的な、あるいは道徳的な悔恨はなかったが、しかし
感覚的な悔恨はあった。メスを使う医者の残酷さだ。 「――しかし、病気になれば誰だ....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
算が疑わしくなった、と同時にもう帰えれないと決めてしまったのだ。孤独というものが
感覚的に来るのは、こう言う時だろう。恐らくぼくは随分情けない顔をしていた事と思う....