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愴然
「愴然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愴然の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
に辛《から》くも着きぬ。久しく見ざれば停車場より我が家までの間の景色さえ変りて、
愴然《そうぜん》たる感いと深く、父上母上の我が思いなしにやいたく老いたまいたる、....
「運命」より 著者:幸田露伴
志を致す、其意と其|言と、忠孝|敦厚の人たるに負かず。数百歳の後、猶読む者をして
愴然として感ずるあらしむ。魏と韓郁とは、建文の時に於て、人情の純、道理の正に拠り....
「連環記」より 著者:幸田露伴
将来、何の光も無く、色も無く、香も無い、ただ真黒な冷い闇のみの世界を望み視ては、
愴然栗然として堪えきれぬ思いをしたことであったろう。 およそ人間世界に夫婦別れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
この悲壮なる讃美の声で圧倒されてしまった。 小早川金吾中納言秀秋の血気の上に、
愴然《そうぜん》たる雲がかかる。 家老松野主馬は、それに附け加えて、全軍に諷す....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
は島木さんの末期を大往生だったと言っている。しかし当時も病気だった僕には少からず
愴然の感を与えた。この感銘の残っていたからであろう。僕は明けがたの夢の中に島木さ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の嘆きよう……アア思いだしてもお気の毒、まったく罪でございますぜ」 「…………」
愴然たる白衣の人、口はかたく結ばれたまま、その姿は氷のよう、その横顔は死せるよう....