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愾
「愾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の中には自分の敵がどんな獣物《けだもの》であるかを見きわめてやるぞという激しい敵
愾心《てきがいしん》が急に燃えあがっていた。前には芸者ででもあったのか、それとも....
「或る女」より 著者:有島武郎
》というのにふとした懸念を持ち始めた。未知の女同志が出あう前に感ずる一種の軽い敵
愾心《てきがいしん》が葉子の心をしばらくは余の事柄《ことがら》から切り放した。葉....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
どうも気乗りがしなかった。それでも金谷宿佗住居の段に進んで来ると、云いしれない敵
愾心が胸いっぱいに漲って来て、かれの眼には残忍の殺気を帯びた。 赤堀水右衛門は....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だまだほんとうに自分の所有を見いだす事ができないで、ややもするとこじれた反抗や敵
愾心から一時的な満足を求めたり、生活をゆがんで見る事に興味を得ようとしたりする心....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
と、問い返した。 吉弥の病気はそうひどくないにしても、罰当り、業さらしという敵
愾心は、妻も僕も同じことであった。しかし、向うが黴毒なら、こちらはヒステリ――僕....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
ニコつかせて帆村の前にあらわれた。それは如何にも自信あり気に見えて、帆村探偵の敵
愾心を燃えあがらせた。 帆村は彼を前にして、松山虎夫殺害事件の詳細を細々と語り....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
「私立探偵。帆村荘六」 大江山警部は、帆村の力を借りたい心と、まだ燃えのこる敵
愾心とに挿って、例の「ううむ」を呻った。そのとき側らに声があった。 「大江山さん....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、恐怖心もどこかへ吹っとんでしまって「おのれ、敵の奴め、味方よ、撃て撃て!」と敵
愾心で身体中が火のように燃える。 ◯良太君の宿所附近二百メートルのところに爆弾一....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
て行く自分を感じて、これではいけないとたとえ遠くからでも無理にも真佐子を眺めて敵
愾心やら嫉妬やら、憎みやらを絞り出すことによって、意力にバウンドをつけた。 古....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
云う事も、一つの大なる期待ではあったが、軈て現われ来るべき大事件は若い好奇心と敵
愾心とを極端に煽り立てて、私は勇士を乘せて戦場に駆け出そうとする牡馬の様に、暗闇....
「地球要塞」より 著者:海野十三
当防衛だ。あなたから、恨まれる筋はないのだ」 X大使だと知って、私は猛然と、敵
愾心《てきがいしん》を盛り起した。 「なんだ。その正当防衛という意味は?」 X....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
られた、本来江戸児とは比較にもならない頓馬な地方人などに、江戸を奪われたという敵
愾心が、江戸ッ子の考えに瞑々の中にあったので、地方人を敵視するような気風もあった....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
っと悪態を吐くのだ。ましてや屈辱のあとだったから、いつものことを想い出すと共に敵
愾心を喚起した。 「きょうはなぜこんなに運が悪いかと思ったら、さてこそてめえを見....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ころで私は岩次郎=これは聖者の幼名=の求道の望みを知ってだいぶこの聖者に対する敵
愾心が薄らいで来た。それはこういう事件であった。岩次郎は或る日、村の小屋掛けの芝....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ージエンおよびザクセンに限定した。しかも極力会戦を避け、必要以上にマリア女王の敵
愾心の刺戟を避けその屈服を企図したのである。 露援軍の来着を待って七月行動を起....