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「慂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
方なのだから」と。 祖父の偉れた点を語ることは、また、その孫娘に偉れることを慫《しょうよう》することでもあった。 ふた親は、自分たちのことに就ては「わたし....
明暗」より 著者:夏目漱石
不意に座を立った姉の挙動が、もうすでにその状態を崩《くず》していたので、お延の慫《しょうよう》は何の効目《ききめ》もなかった。母はとうとうすべてに対する責任を....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
(シナリオによって判断する)まわりくどい表現は不必要だし、またもし癩者の入園を慫するためならば、先決問題たる現在の癩院の収容力不足(それは全国の推定患者数の三....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は誰かもうこの世にはいない元丸の内勤めのサラリーマンの迷える魂が、仮りに新聞紙にり移って、懐しい想い出多い深夜のビル街を散歩しているようでもあった。また一陣の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
中の消閑《しょうかん》に、手細工を試みたものでしょう。それを北原に取らせようと慫《しょうよう》するのを、北原は首を左右に振って、 「いけません、物笑いですから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
く鳴りをしずめて、かの童子の出鱈目《でたらめ》に制限を加えないように心づかいを慫《しょうよう》していると、 玉だすき うねびの山の かしはらの ひじりの御代....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
だ。イスとテーブルも兵舎的実用品で、席へつけば一同が実用的な心構えになることを慫されているようである。警官の臨観席の坐り心持であった。イスとテーブルが、私のお....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
の娯楽品として、多くの頭脳優秀な人たちが、謎ときゲームのたのしさを愛されるよう慫してやまないものである。 諸氏にして謎ときゲームのおもしろさを覚えられたなら....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
にも死ぬかもしれぬ。そこでお前に頼みがある。いいや頼みというよりもむしろお前に慫るのだ。そうだ慫るのだ」 こう云って老人は懐中から小さな手箱を取り出したが....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
き何もない心底であった。ところが図らずもこのたびある人から、報知新聞社長就任の慫を受けたのである。つらつら報知新聞の現在の社業をみると、全く昔日の俤がない。自....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
妹をめとり損なったと見るや、ナポレオンに、墺国の皇女マリア・ルイゼをめとるよう慫し、墺国皇帝に対しても、政策上、ルイゼ姫をナポレオンへ人身御供とすべきよう進言....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
二葉亭の不平を融和する旁ら、機会あるごとに力を文学方面に伸ばさしめようと婉曲に慫した。二葉亭は厚誼には感謝したが、同時に頗る慊らなく思っていた。 が、三山の....
五重塔」より 著者:幸田露伴
せ感応寺建立に寄附を勧めて行くもあり、働き顔に上人の高徳を演べ説き聞かし富豪を慫めて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素より随喜|渇仰の思いを運べるもの雲霞....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
述べた。この条項を承諾し、より良い平和を愛好する新日本建設を開始するよう我等は慫するものである。諸君は直ちに武力抵抗を中止すべく措置を講ぜねばならぬ。 然ら....
友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
著述する場合の覚悟の比ではないだろう。と同時に学位を授与する側を見ても、個人的慫や一定の積極方針の強調や、又時には大盤振舞のような太っ肘や、学術政策的な決意や....