慈しむ[語句情報] »
慈しむ
「慈しむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慈しむの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
、しんみりした眺めである。 かの女は、だんだん老紳士に対する好感が増して行き、
慈しむような眼ざしで青年の姿を眺めていると、老紳士は、暗黙の中にそれを感謝するら....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
間の心に宿る最も尊きものと認め、そしてこの素質をさながら美しき宝石のごとくにめで
慈しむ。私は私がそのなかに棲んでいるこのエゴイスチッシュな、荒々しい、そして浅い....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
にこの驢馬にまたがれど常に苦笑いせり。青年には童がこの兎馬を愛ずるにも増して愛で
慈しむたくましき犬あればにや。 庭を貫く流れは門の前を通ずる路を横ぎりて直ちに....
「病室の幻影」より 著者:豊島与志雄
とを、しみじみと有難く感ずる者があるだろう。その有難い感じが、自分の生を一層愛し
慈しむ感情が、死ぬべき者をも救うかもしれない。その付添の人達も、自分の患者がまだ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
恋いこがれ、あこがれ、祈り、狂っているのである。そのヤス子の名をかたり、ヤス子の
慈しむ少女をさらって暴行する、ヤス子は怒り、蔑み、私を捨てゝ去るであろう。 私....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
のように察しているが、私はしかしある年齢の本能によって限りなく若さをなつかしむ。
慈しむ。若さは幸福でなければならないと思う。若者は死んではならぬ。ただ若さという....
「握った手」より 著者:坂口安吾
ていても、実地の真剣勝負にはうといのである。その稚さは、革命家にとっても、むしろ
慈しむべきであろう。そして、その場合には、当然彼の手がその眼鏡を取り除いてやるべ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
います。私らは静かな寂しいそしてたのしい生活をするつもりです。私は私のそばに愛し
慈しむものの共にあることを悦びます。私は孤独を願いません。私の心はただひとり私が....