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「慈心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慈心の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
降らすこともあり、大いに旱することもござります。釈門の教えとしては、いっさいの善慈心をもって、いっさいの魔を降すのほかはござりませぬ」 彼は天下に大赦の令をく....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、舎利弗慈恵を以て攘《はら》い、光顔ますます好《よ》く、一毛動かず。人蟒すなわち慈心を生じ、七たび舎利弗を顧みて、往生昇天したとある。竜気を稟《う》けて生まれて....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、脚を螫《さ》して比丘を殺した。仏|言《のたま》わくかの比丘八種の蛇名を知らず、慈心もて蛇に向わず、また呪を説かずして蛇に殺されたとて、八種の蛇名を挙げたるを見....
十二支考」より 著者:南方熊楠
山に蔵《かく》るる者ただ一万人残る。他の人種相殺し尽した後《のち》出で来り相見て慈心を起し共に善法を行う。その功徳《くどく》で百年ごとに一年ずつ命が増す、人寿八....
十二支考」より 著者:南方熊楠
食を分ったら赦《ゆる》そうと思うた。比丘犬の心を知って食を分ち与うると、狗喜んで慈心を生じ、比丘に向ってその足を舐《ねぶ》った。後《のち》また門外に臥すとかつて....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
奮して作っている歌である。併し、「戯わざな為そ」という句は、悪い調子を持っていて慈心が無い。とげとげしくて増上の気配があるから、そこに行くと家持の歌の方は一段と....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ながら、いかに人々はそれら憐《あわ》れな者たちを濫用したことだろう! 知力すぐれ慈心ある少数の真の使徒に比して、巧者だというよりもむしろりっぱな意向をもった少数....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
ない人間じゃ、必ずお前さんの懐のものになるのは分かっているじゃろう」 老猿は、慈心に富んだ表情で巌の上から岩魚を見下ろしているのである。魚精は痩せた顔に澄んだ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
堕落|金剛山 念彼観音力 不能損一毛 或値怨賊遶 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心 或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋|段々壊 半瓦と並んだお杉は、袂....