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慈恵
「慈恵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慈恵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
傅《ふ》の大納言《だいなごん》藤原道綱《ふじわらみちつな》の子と生れて、天台座主
慈恵《てんだいざすじえ》大僧正の弟子《でし》となったが、三業《さんごう》も修《し....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
。勇猛にして無欲清浄にして器量大、廉直にして隠すところなく、明敏にして能く察し、
慈恵にして下を育す、好みて忠諫を容るる等、その善き所なり」と云った。 謙信は、....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
に這廻わッたり、乞食《こつじき》にも劣る真似をして漸《ようや》くの事で三十五円の
慈恵金《じえきん》に有附いた……それが何処《どこ》が栄誉になる。頼まれても文三に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
者われを易《あなど》り、取次もなしに入り来ると瞋《いか》って毒気を吐くを、舎利弗
慈恵を以て攘《はら》い、光顔ますます好《よ》く、一毛動かず。人蟒すなわち慈心を生....
「小祝の一家」より 著者:宮本百合子
見習に通っている乙女はやっと人心地にかえるのであった。 アヤは方面委員の世話で
慈恵病院に入ったが、附添はこっち持ちで、そのための交通費がいったし、祖父ちゃんが....
「海流」より 著者:宮本百合子
をしてるんだもの」 杉の家は故郷で代々医者であった。後継ぎの兄はアパート住居で
慈恵に通っていた。 「どうしてあんな謡曲なんか好きなんでしょう。若い癖して、ねえ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もよいことのようにこう言って引込んでしまいました。 与力同心の連中は、ちょうど
慈恵学校の生徒が解剖の屍体をあてがわれたような心持で、がんりきの再調べに着手する....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
止めろ、止めないか!」と強圧することができないのだ。もしこの時廊下側の座席から久
慈恵介が持ち前の金切声をふり絞って、「うるせえ、止めやがれ!」と飛びださなければ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ヴィエはその腕を執って自分の家に連れていった。彼もまた、醜悪や病気にたいしては、
慈恵団の尼さんみたいな魂をもって生まれたのではない人々が皆いだく、一種本能的な残....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の時々に、正当、真実、公平、聡明《そうめい》、謙譲、廉直であった。恵み深く、また
慈恵の一種なる親切でもあった。彼は一個の牧師で、一個の賢者で、かつ一個の人であっ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ないと、つまらないと言った。それでぼうさんが代筆をして、バルブレンのはいっている
慈恵病院の司祭にあてて、手紙を出すことにした。その返事は二、三日して着いたが、バ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
不思議に思われるのは、博愛事業にも関係しなかったことである。もちろん個人としての
慈恵はした。 また後半生には、科学上の学会にも出席しない。委員にもならない。こ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、藤井氏とともに中学校を参観す。文部次官特に案内せらる。つぎに、応急施療院および
慈恵病院を参観す。その病院には六百人の患者をいるるべしという。当サンチアゴ市にて....
「反キリスト教運動」より 著者:小川未明
それどころか英米の資本主義国家の手先となって、稍もすれば物質によって他国の貧民に
慈恵し、安っぽい愛と同情とを強いている。人生は愛以外にない。然しこの愛という言葉....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
ができたら、よく私を慰めてくれるに違いない。」と思った。 私は廻り歩いて郊外の
慈恵院の前にでた。そこには、親のない子が沢山に集まっていた。ちょうど、内の仕事の....