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慓悍
「慓悍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慓悍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
う。やはり禿《は》げ鷹《たか》に似た顔はすっかり頭の白いだけに、令息よりも一層|
慓悍《ひょうかん》である。その次に坐っている大学生は勿論弟に違いあるまい。三番目....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
開《あ》けたまま、ストオヴの側へ棒立ちになって、一二分の間《あいだ》はただ、その
慓悍《ひょうかん》な生徒の顔ばかり眺めていた。が、やがて家畜《かちく》のような眼....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
べき、手強《てごわ》い相手を見出さなかった。山の向うに穴居《けっきょ》している、
慓悍《ひょうかん》の名を得た侏儒《こびと》でさえ彼に出合う度毎に、必ず一人ずつは....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
か、いかなる遺恨子細によってかかる封じ手を用いようとするにいたったか、事は疑問の
慓悍児《ひょうかんじ》秀の浦の告白にすべての興味がつながれることになりましたが、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
約七、八百キロのあいだをぎっしりと埋めている。それに、KoLo《コロ》 のように
慓悍な夷蛮はあり、ともかく西域夷蛮地帯《シフアン・テリトリー》をゆくには経験に富....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
いたぶき》の屋根を見ると、深山の生活も思いやられます。この辺に住んでおりますのが
慓悍《ひょうかん》な信州人でして、その職業には、牧馬、耕作、杣《そま》、炭焼――....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、ブラーエはオーヘム大佐に従いて、戦闘最も激烈なりし四風車地点を巡察の途中、彼の
慓悍なる狙撃の的となりし者を指摘す。曰く、ベルトルト・ヴァルスタイン伯、フルダ公....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
求めて来る男猫が数匹ある中に、額に白斑のある黒猫で、からだの小さいくせに恐ろしく
慓悍なのがいる。 これが、「三毛」の子で性質温良なる雄の「ボウヤ」を、女敵のよ....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
いて現れたのは、ガッチリ捕縄を掛けられた、船員らしい色の黒い何処となく凄味のある
慓悍な青年だ。二人の警官に護られている。 喬介に伴われた一行が、二号|船渠の海....
「海底都市」より 著者:海野十三
びにまずまっ先にオンドリを見つけて彼の肩を叩くことにした。 オンドリは、始めの
慓悍《ひょうかん》さをだんだんと失ってきて、次第にむずかしい顔付をするようになっ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
…歩行より、車より、駕籠に乗ったより、一層|鮮麗なものだと思う。その上、選抜した
慓悍な黒潮騎士の精鋭|等に、長槍をもって四辺を払わせて通るのです。得意思うべしで....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
い銃声。 響き鳴る金属音。 地獄の中のような乱闘と悲鳴。 いかに印度志士が
慓悍であるとはいえ、十分武器をもったこうも大ぜいの兵員にとりかこまれては、どうに....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
隊長として加わったのである。 沙漠、峻嶮、寒熱二帯の両極をもつアフガニスタン。
慓悍無双といわれるヘタン人の人夫をそろえ、いよいよヒンズークシの嶮を越え「パミー....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
た。薩摩と雌雄を決しようとした。しかし聡明な徳川慶喜は、惰弱に慣れた旗本を以て、
慓悍な薩長二藩の兵と、干戈を交えるということの、不得策であることを察していた。そ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
暇さえあれば鉄砲を持って熊の足跡をつけ廻していようと云う――日焼のした赧ら顔で、
慓悍な肩をゆすって笑ったりすると、机の上の図面が舞って仕舞いそうな声を出す人であ....