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慙
「慙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
り食っていられるものか。弥次郎……馬鹿なつらな、銭は出すから飯をくんねえ。……無
慙や、なけなしの懐中を、けっく蕎麦だけ余計につかわされて悄気返る。その夜、故郷の....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
づけ、しかもさらに将来に何の希望をも繋ぎ得ない戦局を見せつけられ、加うるに低劣無
慙なる茶番政治を見せつけられ、なおそのうえに腐敗の極ほとんど崩壊の前夜ともいうべ....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
くような痛味である。 「あっ、怪我をした！」チョコレート色の絹の靴下は、見るも無
慙に斜に斬れ、その下からあらわに出た白い脛から、すーっと鮮血が流れだした。 （あ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
の血で縫おうとした。 その時、小男が伸上るように、丸太棒の上から覗いて、 「無
慙や、そのざまよ。」 と云った、眼がピカピカと光って、 「われも世を呪えや。」....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
し、峰にすむ主人と同じで、これが暴風雨よ、旋風だ。一溜りもなく吹散らす。ああ、無
慙な。 一の烏 と云ふ嘴を、こつこつ鳴らいて、内々その吹き散るのを待つのは誰だ。....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
いざらい、お雪さんの、蹴出しと、数珠と、短刀の人身御供は―― まだその上に、無
慙なのは、四歳になる男の児があったんですが、口癖に――おなかがすいた――おなかが....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ろどろと太鼓が鳴った。音を綯交ぜに波打つ雷鳴る。 猫が一疋と鼬が出た。 ト無
慙や、行燈の前に、仰向けに、一個が頭を、一個が白脛を取って、宙に釣ると、綰ねの緩....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
岡崎の化猫が、白髪の牙に血を滴らして、破簾よりも顔の青い、女を宙に啣えた絵の、無
慙さが眼を射る。 二 「さあさあ看板に無い処は木曾もあるよ、木曾街....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
たびに、ううむ、ううむ、うむと幽に呻いたと、見るが否や、萎れ伏したる女郎花が、無
慙や風に吹き乱されて、お雪はむッくと起上りましたのでありまする。小宮山は論が無い....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
擬して、中の河内を柳ヶ瀬へ抜けようとした冒険に、教授が二人、某中学生が十五人、無
慙にも凍死をしたのでした。――七年｜前―― 雪難之碑はその記念だそうであります....
「瘠我慢の説」より 著者:榎本武揚
、衆賢之批評に当る者あらず。不計も拙老先年之｜行為に於て御議論数百言御指摘、実に
慙愧に不堪ず、御深志｜忝存候。 行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与からず....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
たんです――いや、どうも、若気の過失、やがての後悔、正面、あなたと向い合っては、
慙愧のいたりなんですが、私ばかりではありません。そのころの血気な徒は、素人も、堅....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
可惜、鼓のしらべの緒にでも干す事か、縄をもって一方から引窓の紐にかけ渡したのは無
慙であるが、親仁が心は優しかった。 引窓を開けたばかりわざと勝手の戸も開けず、....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
にあけ渡して、御機嫌よう、か何かで、ふいとどこかへ遁げた日になって見りゃ、破戒無
慙というのだね。乱暴じゃあないか。千ちゃん、尼さんだって七十八十まで行い澄してい....
「活人形」より 著者:泉鏡花
えて妻にせん。我心に従えと強迫すれど、聞入れざるを憤り、日に日に手暴き折檻に、無
慙や身内の皮は裂け、血に染みて、紫色に腫れたる痕も多かりけり。 下枝は我に取縋....