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「慣れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慣れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
六 うちへ帰ってみると、うす暗い玄関の沓脱《くつぬ》ぎの上に、見慣れたばら緒の雪駄《せった》が一足のっている。馬琴はそれを見ると、すぐにその客の....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は、乞食《こつじき》のような姿をした沙門が、何か頻《しきり》にしゃべりながら、見慣れぬ女菩薩《にょぼさつ》の画像《えすがた》を掲げた旗竿を片手につき立てて、佇《....
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
がら、悶々《もんもん》の情に堪えなかったものと見えて、ある夜|私《ひそか》に住み慣れた三郎治の家を出奔《しゅっぽん》した。 それから三年の間、吉助の消息は杳《....
」より 著者:芥川竜之介
の壁へ手をのばすと、咄嗟《とっさ》に電燈のスウィッチを捻《ひね》った。と同時に見慣れた寝室は、月明りに交《まじ》った薄暗がりを払って、頼もしい現実へ飛び移った。....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
るのを発見した。 人影は見る間《ま》に鮮《あざや》かになった。それはいずれも見慣れない、素朴《そぼく》な男女の一群《ひとむれ》だった。彼等は皆|頸《くび》のま....
河童」より 著者:芥川竜之介
もちろんできるだけ、だれにも会わない算段をしました。が、我々人間にもいつか次第に慣れ出したとみえ、半年ばかりたつうちにどこへでも出るようになりました。ただそれで....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
うりと》りにはいった。 求馬は甚太夫とは別々に、毎日府内をさまよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を貰いながら、根気よく盛り場を窺《うかが....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は算木《さんぎ》を染め出す代りに、赤い穴銭《あなせん》の形を描《か》いた、余り見慣れない代物《しろもの》だった。が、お蓮はそこを通りかかると、急にこの玄象道人に....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
江を遡《さかのぼ》って来た僕には決して珍しい見ものではなかった。けれども亦格別見慣れたことを長江に感謝したい見ものでもなかった。 僕はだんだん苛立《いらだ》た....
蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
たぐりのぼり始めました。元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。 しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございま....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
る。と同時に悪魔もまた宗徒の精進《しょうじん》を妨《さまた》げるため、あるいは見慣れぬ黒人《こくじん》となり、あるいは舶来《はくらい》の草花《くさばな》となり、....
おしの」より 著者:芥川竜之介
が一人、何か云いたげに佇《たたず》んでいる。南蛮寺《なんばんじ》の堂内へはただ見慣れぬ磔仏《はりきぼとけ》を見物に来るものも稀《まれ》ではない。しかしこの女のこ....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
口もとは、側へ寄るまでもなくよく見えた。そうしてそれはどうしても、子供の時から見慣れている西郷隆盛の顔であった。…… 「どうですね。これでもまだ、君は城山戦死説....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
飯も掠《かす》め得るであろう。況《いわん》や針の山や血の池などは二三年其処に住み慣れさえすれば格別|跋渉《ばっしょう》の苦しみを感じないようになってしまう筈《は....
初雪」より 著者:秋田滋
相かわらず笑いながら、答えて云った。 「馬鹿なことを云っちゃアいけないよ。じきに慣れるよ。それに、このほうが体のためにゃずッと好いんだからね。お前だって、もっと....