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「慣れっこ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慣れっこの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
れて、まだ暑苦しいような日の差込む時が、二三日も続いた。 「ええ、子供の時分から慣れっこになっていますから」お島は笑いながら応《こた》えた。 「子供を産んだ人と....
或る女」より 著者:有島武郎
葉子は苦しげにほほえんで見せた。 「あなただったらきっとできないでしょうよ。……慣れっこですからこらえて見ますわ。その代わりあなた永田《ながた》さん……永田さん....
或る女」より 著者:有島武郎
木村が思うようにわたしは他人の誤解なんぞそんなに気にしてはいないの。小さい時から慣れっこになってるんですもの。だから皆さんが勝手なあて推量《ずいりょう》なぞをし....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
にもどうやら馴れて、おいおいうまく行くようになり、毎晩の空腹にすら、彼はすっかり慣れっこになった。けれど、そのかわりにやがて新しい外套ができるという常住不断の想....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とうに物足りない。お絹という奴にも、ずいぶん淋しい思いをさせられたが、このごろは慣れっこになってしまったのか、今日このごろは、あの低能の来ないことが、いっそう自....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
て、何やかやとベントレイお婆さんがよく気をつけてくれたけれど、しばらくいると直ぐ慣れっこになって、だんだん万事粗末にし出した。下宿というものはへんするような日が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らもしたが、今は七兵衛のおかげで、懐ろは温かくなっているし、あの女の不良性はもう慣れっこになっているのだから、このごろは、その出入りをさまで気にも留めていなかっ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ばかりの紅《べに》のくけ紐。玉虫色の唇から、チョビ安いい気なもので、もうすっかり慣れっこになっているらしく、 「小父《おじ》ちゃん、小母《おば》ちゃん、虫の太夫....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
人々は彼女がこんな生活によく耐えてゆくと思って不思議がったが、彼女にはそれがもう慣れっこになっていたのである。彼女は背丈こそ短かったが、体格は人並はずれてがんじ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
) 尤も、この疑問は、これまでにもたびたび彼の心に浮かんでいたことなので、少し慣れっこになっていたせいか、さほどに気にはかからなかった。そして、いつとはなしに....
家なき子」より 著者:楠山正雄
からね。なにしろこのごろいただくげんこは先よりもずっと効くからね。人間はなんでも慣れっこになるなんて言うが、それはお人よしの言うことだよ」 びっこひきひきかれ....
博物誌」より 著者:岸田国士
うして花嫁を呼ぶのである。何ものも姿を見せず、誰も返事をしない。庭の鳥たちももう慣れっこになっていて、頭をあげようともしない。そういつまで感心ばかりしてはいられ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
ていた恭一も、いやな顔をした。次郎はなおさらいやだった。自分が悪く言われるのは、慣れっこになっていて、もうさほどには腹も立たなかったが、彼にとっては神聖なものに....
魔都」より 著者:久生十蘭
がミリアムとハッチソンの部屋だった。 口惜しがったというものの、こんなことには慣れっこになっているのだから、大して肚を立てていたわけではない。ミリアムとハッチ....
それから」より 著者:夏目漱石
、すぐ身体《からだ》に障《さわ》って、息が苦しくなって困った。―― 「けれども、慣れっこに為《なっ》てるんだから、驚ろきゃしません」と云って、代助を見て淋《さみ....