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慣性
「慣性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慣性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
そ異にすれ、何とはなしに旗太郎を髣髴とさせるのだった。
「眼に※」熊城はほとんど
慣性で一言挾んだ。すると、クリヴォフ夫人は俄然|傲岸な態度に返って、
「たしかバ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
主張のことになる。 単に従来の読者がその一般的な生来の習性や、又特殊の之までの
慣性から、主張型に漠然として期待を有つだけではない。読者を所謂読者の資格から見ず....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
には普遍的でなくて全く個人的なものが時々出現し、そうしてそれが一度現われだすと習
慣性を帯びて来て、何度となく同じ一巻の中にさえも現われ、また特にその後に作る他の....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
生理的機関の構造によって規定されたいろいろの物理的振動の週期性、感官や運動機関の
慣性と弾性と疲労とから来る心理的な週期性、なおまた人間常住の環境に現われる種々の....
「思い出草」より 著者:寺田寅彦
空中反転作用は花冠の特有な形態による空気の抵抗のはたらき方、花の重心の位置、花の
慣性能率等によって決定されることはもちろんである。それでもし虻が花の蕊の上にしが....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
けて引いたように感じた由《よし》である。つまり非常に軽々と感じ、そして少し遅れて
慣性《かんせい》のようなものをも感じたというのである。 その店員の感想にはもう....
「地球要塞」より 著者:海野十三
が、私を苦しめた。――そして嘔気を催した。あまり急いで、速度を下げたからである。
慣性緩和枕を、頭のところに取りつけてあったけれど、こんなものは、何の役もなさなか....
「東京要塞」より 著者:海野十三
トラックの通りゆく道筋を、一生懸命に暗記しようとつとめた。 右か左かへ曲ると、
慣性の理によって、どっちかへ身体がぐぐっと圧されるので、それとわかった。 狭い....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
社会生活が発達しまたは発達しようとするにも拘らず、依然として旧態に止まろうとする
慣性を示して来る。習慣や習俗が元来そういう固定する要素を濃厚に有っているのは云う....
「轢死人」より 著者:豊島与志雄
U君の説によれば、前方の隅に腰掛けてると、汽車が急に止った場合には、物理でいう
慣性の法則に随って、前方へ身体が激しくのめるので、腰板なんかに頭をひどくぶっつけ....
「三重宙返りの記」より 著者:海野十三
ああこれこそ我慢づよいわが空の勇士が、絶えず相手に闘っているところの見えざる敵“
慣性”だなと悟った。 機が地上に下りると、僕は急に胸先がわるくなって、むかむか....
「狐狗狸の話」より 著者:田中貢太郎
れは、 一、三本足の装置が動揺し易きこと 二、動物の常性として手の動揺を伝える習
慣性の規則に因って回転を助くること 三、心性の自動作用と刺戟に応じて起る無意識作....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
ざとなると主張をし始めるものなのである。云わばそれが、色々の常識を持続させる処の
慣性(スコラ学者が考えた実体の
慣性)のようなものである。だから右のような常識は、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
あるときは、またいくたの動揺を増すに至るべし。かつ、ひとたび回転したるものは、習
慣性の規則に従ってますます回転せんとするの勢いあり。別して、衆人の力再三重ねてこ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
ときは、またいくたの動揺を増すに至るべし。かくして、ひとたび回転したるものは、習
慣性の規則に従って永く回転せんとするの勢いを生ず。別して衆人の力、再三重ねてこれ....