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慣習
「慣習〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慣習の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のは、北隣りの大工の女房のお初で、亭主は仕事からまだ帰って来なかったが、いつもの
慣習で彼女は格子に錠をおろして近所まで用達に行った。南隣りは当時|空家であった。....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
問題は能率(商品的な意味ばかりでなく)のうえから最も肝要なテーマであるが、我々は
慣習としてもこれを自分の身につけていないし、法則としてもそれを教えられていない。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
る。しかし紀元前十二世紀、周朝の確立とともに古代シナ文化は隆盛その極に達し、法律
慣習が大いに重んぜられたために、個人的思想の発達は長い間阻止せられていた。周崩解....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
の親族の代表者は悉く集っている。 その中には年々巨万の地代を挙げながら、代々の
慣習によって中学卒業程度で家督を護らせられている壮年者もある。 横浜開港時代に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
人の方々も、この構内から一歩の外出すら許されていなかったのです。それでも、永年の
慣習というものは恐ろしいもので、かえって御当人達には、人に接するのを嫌う――いわ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちらで相当の支度をさせて儀式その他はよろしきように頼むというのであった。その頃の
慣習として、嫁の里が相当の家であれば、たといそれが二十里三十里の遠方であっても、....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
て、喫掛けた火皿の脂を浚った。……伊達の煙管は、煙を吸うより、手すさみの科が多い
慣習である。 三味線背負った乞食坊主が、引掻くようにもぞもぞと肩を揺ると、一眼....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
した指環をはめていました。昔はここらの村では婚約の儀式にそんな指環を取り交すのが
慣習になっていましたが、まあ、そんなふうな指環であったのでしょう。 婆さんは聖....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
いいえ、ここまで云えば、私と久米八とが双生子の兄妹だったということも、また往時の
慣習からして、双生児の畜生児は殺さねばならなかったということも、さらに里虹が両親....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
、すなわち瘧ととなえる病を療治する方法のごときも、いろいろありますが、従来日本の
慣習として、これを医師の手にゆだぬることをなさず、すべてマジナイのごとき法をもっ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
章」となっていたのであるが、それでは八字になる。由来、芝居道では偶数の名題を忌む
慣習があるので、いろいろに無理な遣り繰りをして、三字、五字、七字にする。したがっ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
分を『大』と称することはできますが、この場合に決定力を持っているのはただ裁判所の
慣習だけのはずです。それによると、三百代言のほかにさらに大小の弁護士があるんです....
「西航日録」より 著者:井上円了
り。二十九日早朝、パーシー(火教徒)墓所を一覧す。この宗派は死体を鳥に食せしむる
慣習なり。三十日休息し、三十一日、ビクトリア公園および博物館を一見す。当夜、この....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
べき寝台の設備がある。最初、日本より豪州まで、郵船会社日光丸の一等客に加わりたる
慣習あるために、船内万事につきて不潔に感じたが、一週間を経過したる後は、その感じ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
本国民のため、西洋流の兵営生活は驚くべき生活変化である。即ち全く生活様式の変った
慣習の裡に叩き込まれ、兵はその個性を失って軍隊の強烈な統制中の人となったのである....