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「慧敏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慧敏の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
に此の看護人は先にお浦の事件にも関係した探偵森主水である。余は彼の目の底に一種の慧敏《けいびん》な光が有るので看て取った。 彼は名を指されて痛く驚いたが強いて....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
裡面の真相を穿たんと試みたるが如きは、真に驚くべき事実にして、仮令同婦人が如何に慧敏、且つ果敢なる判断力を有するものと見るも、尚且つ、不自然の感を免れず。但し、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ーディットがみずから思ってるほど心を奪われてはいなかった。二人とも――彼女はその慧敏《けいびん》さによって、彼は知能の代わりとなってる本能によって――等しく相手....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
敵たる、あり得べからざる虚偽の英雄主義の謳歌《おうか》者であった……。フランスは慧敏《けいびん》だと自称してるくせに、滑稽《こっけい》にたいしては少しも感じがな....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ットの中に両手を握りしめ、小鳥のように首を振り、下脣《したくちびる》をつき出して慧敏《けいびん》らしい脹《ふく》れ面《つら》をした。彼はびっくりし、不安心で、半....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
呼ぶよりも花袋|和尚と呼んでみたい。酔態の中にも一種の風韻がある。近眼鏡の奥には慧敏な目がぎろりと光っているが、そこにも人なつこいところが見える。和尚と呼ぶのが....
今世風の教育」より 著者:新渡戸稲造
、あの力というものは非常なものである。その智識の博いことと、その考《かんがえ》の慧敏《けいびん》なことと、その論鉾の巧みなことと、その綜合的の方法、などの力に富....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て来たからだった。 「さては、後醍醐と義貞とのあいだに、なにごとか揉めているな」慧敏な直義である。 彼は、あらゆる変に応じうる万全な措置をとっていた。新田が自....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
島の宴飲には最も即興の歌が珍重せられ、殊に男女の間には歌競いの戯があって、返歌の慧敏なるものが永く異性の愛好を繋いだことを述べている。島では三線を弾ずるはもっぱ....