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慨
「慨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
んで来るのじゃ。現に昨夜《ゆうべ》も。――」
こう云いかけて、あの沙門はさも感
慨に堪えないらしく、次第に力の籠って来た口をしばらくの間とざしました。
....
「河童」より 著者:芥川竜之介
四階級の娘たちは売笑婦になっているではありませんか？ 職工の肉を食うことなどに憤
慨したりするのは感傷主義ですよ。」
こういう問答を聞いていたゲエルは手近いテエ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
右には、昔、島崎藤村《しまざきとうそん》が「もっと頭《かしら》をあげて歩け」と慷
慨《こうがい》した、下級官吏らしい人々が、まだ漂《ただよ》っている黄昏《たそがれ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
いますて。」
忠左衛門は、眉をあげて、賛同を求めるように、堀部弥兵衛を見た。慷
慨家《こうがいか》の弥兵衛は、もとより黙っていない。
「引き上げの朝、彼奴《きゃ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
が、そろってぞろぞろ出て来た。そうして、その先に立って、赤木君が、しきりに何か憤
慨している。聞いてみると、誰かが、受付係は葬儀のすむまで、受付に残っていなければ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ら、人生と闘うことを学ばねばならぬ。こう云うゲエムの莫迦莫迦《ばかばか》しさに憤
慨を禁じ得ないものはさっさと埒外《らちがい》に歩み去るが好い。自殺も亦確かに一便....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
牛が月夜か何かに、三保《みほ》の松原の羽衣《はごろも》の松の下へ行って、大いに感
慨｜悲慟《ひどう》するところがあった。あすこを読むと、どうも樗牛は、いい気になっ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ちもまだ帰らなかったんだな。」
Ｍの声は常談《じょうだん》らしい中にも多少の感
慨を託《たく》していた。
「どうだ、もう一ぺんはいって来ちゃ？」
「あいつ一人な....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
ように笑ったり話したりする気はなかった。唯きょうまで知らなかった、妙に息苦しい感
慨の漲って来るのを感じただけだった。 番紅花の紅なるを咎むる勿れ。 桂枝の匂へる....
「聖書」より 著者:生田春月
時々「ふむ、ふむ」と受けながら、穏かな微笑を浮べて聞いていたが、「まあそんなに憤
慨しなくてもいいよ。つまらないまやかし物は時の審判の前には滅びてしまうのだから。....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
……畜生。 ヤコフ・イリイッチはイフヒムの言った事を繰返して居るのか、己れの感
慨を漏らすのか解らぬ程、熱烈な調子になって居た。 畜生。其奴を野郎見付ければひっ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のでございましたが、私は何は措いても先ずこの鈴懸を紹介しました。その際誰よりも感
慨深そうに見えたのは矢張り良人でございました。良人はしきりに馬の鼻面を撫でてやり....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
存在を否定する論者もあるではなきか？』 悪霊の存在――善を捨てて、悪に走るほど
慨歎すべきものはない。汝は優勢なる魔群の存在を不思議に思うらしいが、事実はその通....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、夜食早くしたためて床に入りしが、既往将来の感
慨に夢も結ばず。雁の声いとど憐なりし。峠を越え山を下り野にはいろいろの春の草、峰....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の間数々の小作争議、鉱山争議、工場ストを経験したが、いまのストライキにくらべて感
慨無量なものがある。 早大在学中、ふと足尾銅山のメーデーに参加したことが、私を....