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「慨世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慨世の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
にして、暗い座敷牢の格子《こうし》につかまりながら慟哭《どうこく》したという。「慨世憂国の士をもって発狂の人となす、豈《あ》に悲しからずや」とは父がその木小屋に....
遺書」より 著者:尾崎秀実
きたいと思っています。世界観あり、哲学あり、宗教観あり、文芸批評あり、時評あり、慨世あり、経綸あり、論策あり、身辺雑感あり、過去の追憶あり、といった有様で、よく....
運命」より 著者:幸田露伴
ん。巍は燕王に書を上りしも効無かりしを歎ずれば、鉉は忠臣の節に死する少きを憤る。慨世の哭、憂国の涙、二人|相持して、※を以て城を撃たしむ 城壁破れんとす。鉉|愈....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
号令するというを何か丈夫の本懐のように説くものもある。たといそれがやむにやまれぬ慨世のあまりに出た言葉だとしても、天子を挾むというはすなわち武家の考えで、篤胤の....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
その他立志の、或は教訓的な宣伝小説であった。坪内氏の訳になるリットンの「開巻悲憤慨世士伝」とか、井上勤訳する処のモアの「良政府談」とか、創作では、東海散士の「佳....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
(政治家でいて横着でないものはあまりありますまいが、ここでは仮りに正真正銘の憂国慨世の士と対照してかく名付けたのであります)とか名づけられる種類であります。この....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》でもない者であることは不思議です。碌でもないと言っては当人も納まるまいが、この慨世憂国の二人の志士を前にしては、甚だ碌でもないというよりほかはない、例のがんり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
したのが、今いう、その南条先生なるものの言い草である。この南条という男、ある時は慨世の国士のように見え、ある時はてんで桁《けた》に合わないことを言い出して、掠奪....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
面《かお》で、これだけのことを言いました。いったい、この南条という男は、ある時は慨世の国士のようにも見え、ある時は、てんで桁《けた》に合わないことを言い出して、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
変屈者を、いつか忘れ去っていた。 しかし、ただの変屈か、いまの世にあきたらない慨世の人か、それとも生来、清隠を好んで世俗の塵埃をいとうだけの者か、その辺の心事....