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慰め顔
「慰め顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慰め顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
に振る舞おうとした。
博士は夫人との会話の途切れ目を捕えては、話を葉子に向けて
慰め顔にあしらおうとしたが、いつでも夫人が葉子のすべき返事をひったくって物をいう....
「海異記」より 著者:泉鏡花
」と思わず襟に一雫、ほろりとして、 「済まないねえ。」 奴は何の仔細も知らず、
慰め顔に威勢の可い声、 「何も済まねえッて事アありやしねえだ。よう、姉さん、お前....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
が廻ってきますよ、あなた」お妻は、夫の商談がうまく行かなかったらしいのを察して、
慰め顔に云った。 「……」長造は、無言で長火鉢の前に胡座をかいた「おや、ミツ坊が....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
みんなが日曜日にはそこへ行って遊ぶんだ。」 その古参生は僕が堅くなっているのを
慰め顔に言った。が、僕にはまた、この「殿様」というのが妙に響いた。これも感情の字....
「家」より 著者:島崎藤村
…何処の家にもよくあるやつだが……」 「子供が有るんで持ったものですよ」とお倉は
慰め顔に言って、寂しそうな微笑を見せた。 木曾の姉からの写真を見た後、実は奥座....
「怪塔王」より 著者:海野十三
。しかし仕方がないよ、戦争なんだから」 塩田大尉は、小浜兵曹長の肩をたたいて、
慰め顔にいいました。 「小浜は、彼のかたきうちをするつもりでいましたが、こんなこ....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
てしまうことなぞを胸に浮べていた。そこへ院長蜂谷が庭づたいに歩いて来て、おげんを
慰め顔に廊下のところへ腰掛けた。 「お嬢さんを見ると、先生のことを思出します。ほ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ければいいがと心配していたが、案外平静なようなのでまずまず安心している。いつかも
慰め顔にいろいろと問い尋ねる看守に、かえってフリイ・ラブ・セオリイなぞを説いて、....
「雨」より 著者:織田作之助
合わぬ同情や感傷など与り知らぬ母だった。 「お君さんは運が悪うおますな」 と、
慰め顔の長屋の女たちにも、 「しかたおまへん」 と、笑ってみせ、相つづく不幸も....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
のか、それが青木にはわからなかった。 青木は不キゲンな記代子の肩に手をあてて、
慰め顔に、 「なア。記代子さんや。あなた、なぜ、昔の奥さんの店へぼくをつれこんだ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ツ残っていたが、今日は八ツになっているよ」 お絹は驚いて顔色を変えた。新十郎は
慰め顔に、 「ナニ、お前に悪いところはないのさ。ところで、梅干の大きな壺はどこに....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。 菅谷はガッカリして、ひきあげた。そして、上京して新十郎に報告した。新十郎は
慰め顔に、 「ガッカリなさることはありませんとも。いろいろのことが分ったではあり....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
人が、 『あれは、政党屋なんだよ。自分の言葉に責任は持たんのさ……』 と、私を
慰め顔にいう。 『それにしてもだ――』 私の憤慨はなかなかとまらなかった。する....
「雨」より 著者:織田作之助
の年に似合わぬ同情や感傷など与り知らぬ母であった。お君さんは運命が悪うおますなと
慰め顔の長屋の女たちにも、仕方おまへん、そんな不幸もどこ吹いた風かと笑ってみせ、....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
のは済まない」と気の毒がる、「何に構やしないさ、明日また確かり頼むよ」と南日君が
慰め顔にいう。 覚束ない足どりで急な雪渓を三十間も下ると小窓裏の大雪渓に出た、....