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慰労
「慰労〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慰労の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
た新聞社の社長と親しい交際のあった関係から、ある日その社の従軍記者を自宅に招いて
慰労の会食を催した。その席で、小柄《こがら》で白皙《はくせき》で、詩吟の声の悲壮....
「或る女」より 著者:有島武郎
、書記が丁寧に書いたらしい書簡一封とを探り出した。
はたしてそれは免職と、退職
慰労との会社の辞令だった。手紙には退職
慰労金の受け取り方《かた》に関する注意が事....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
れたが遂には、この場合無理もない、強《しい》て止めるのは却って気の毒と、三百円の
慰労金で放免してくれた。 実際自分は放免してくれると否とに関らず、自分には最早....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
さん、今日はありがとう」と丁寧に礼を云った。 老妓は柚木に 「今日は君の退屈の
慰労会をするつもりで、これ等の芸妓たちにも、ちゃんと遠出の費用を払ってあるのだ」....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
意の絶頂にあった。上席に帰ると、彼は声を揚げて、 「皆の者大儀じゃ。いでこれから
慰労の酒宴を開くといたそうぞ」と、叫んだのであった。 彼は近頃にない上機嫌であ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
公明無私な裁判をしてやる気で居る……云々』との御言葉で御座いましたが、最早夙うに
慰労休暇も過ぎ去り、次回の公判期日も今日明日に迫っとる事でありますれば、もう事件....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
った。 あとに袋猫々ただひとりが、森閑とした部屋に取残された。 烏啼の館では
慰労の夜宴が開かれた。 「あのポンスケ探偵も、今頃はさぞおどろいているでしょうね....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ちに、海底牢獄につながれていた囚人までが解放されたうえ、これにもやはりそれ相当の
慰労金をさずけられ、甲板へさしてにこにこ顔で現れたのには、皆をさらにおどろかせた....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
会をねらっていました。彼がさっそくに思いついたのは、留守の間を働いてくれた人達の
慰労会をすることでした。彼は私の手料理を望みましたので、その日取りの前日に、私は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
蹴り、走った、走った一散に走った。 この時上尾宿の方角から、馬大尽を迎えに出、
慰労とあって猪之松により、乾兒共々上尾宿の、山城屋で猪之松に振舞われ、少し遅れて....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
しんでか、それとも、ほかの理由でか、声をあげて泣きながら、おれにくれるべき約束の
慰労金を三分の一に値切った。もっともそれとても一生食うに困らぬくらいの額だったが....
「瘤」より 著者:犬田卯
れから、農会や信用組合まで喰いかじって半身不随にした揚句、程もあろうに八百円の「
慰労金」まで、取って辞めたという存在――いわゆる「札つき者。」 「まったく奴は村....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
私がボンベイに着いたのは四月上旬であります。
ところが三井物産の間島さんは私の
慰労かたがたチベットの話を聞きたいということで、私は正金銀行支店長の松倉吉士とい....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
まち雨。逆風激浪、インド洋の真面目を現す。昼間、喫煙の競走あり、夜間は余興会幹事
慰労のために懇親会あり。飲酒放歌、深更に及ぶ。昨今の気候は夏服にて不寒不熱、わが....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
うやら無事にすんだというわけだね。それでは今夜はひとつゆっくりと、おやじの香典で
慰労会をさしてもらおうじゃないか」 連日の汗を旅館の温泉に流して、夕暮れの瀬川....