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「慰問袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慰問袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
いなか》くさい馬鹿である。 私は、矮小《わいしょう》無力の市民である。まずしい慰問袋を作り、妻にそれを持たせて郵便局に行かせる。戦線から、ていねいな受取通知が....
党生活者」より 著者:小林多喜二
思いこませるためのカラクリなのだ。」 すると、伊藤は須山のあとを取って、「赤い慰問袋」の話をしたり、戦争になってから少しも自分たちが生活が楽にならなかったこと....
前哨」より 著者:黒島伝治
たわっていた。支那人の××ばかりでなく、キキンの郷里から送られる親爺の手紙にも、慰問袋にも××××がかくされてあるのに気づいた中隊幹部は非常にやかましくなってき....
鏡の中の月」より 著者:宮本百合子
りに近づくにつれて、瀧子は忙しくなって来た。村にも北支への召集が下って女子青年の慰問袋作りが補習学校を中心にはじまった。生徒代表を引率して出征する兵を送りに出る....
その年」より 著者:宮本百合子
緒にハーモニカも蓋のこわれた本箱へぶちこんで行った。広治がそれを見て思いつきから慰問袋へ入れてやったのであった。 大きな壊し家の運搬があって広治は徹夜で働いた....
チチハルまで」より 著者:黒島伝治
無遠慮にはげしくまき散らされだした。 ある夕方、彼等が占領地から営舎に帰ると、慰問袋と一緒に、手紙が配られてあった。 「今年は、こちらだけでなく北海道も一帯に....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、こんなに貰ったのよ。みな配給品だわ。林檎もあるわ。缶詰に、ハミガキに、それから慰問袋もあんたの分とあたしの分と二つあるわよ。――さあ起きなさいよォ」 お千は....
くちなし」より 著者:宮本百合子
がいて、その児は河北の夜に倒れたものの又従弟とでもいうつづきあいにあたっている。慰問袋を女が三人あつまって拵えているわきでその児が見物していたが、やがて、それな....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いるそうです。日本人の商人も居り、茶わん一ヶ八十銭の由、カフェーもバーもある由。慰問袋をこしらえてやります。又次便でいろいろ。お金が不自由におなりにならないでし....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
○達ちゃんから手紙が来ました。私の書いたのへの返事。丈夫にしているそうです。慰問袋着のも翌日。北京官話と苦力《クリー》の用語とはちがうがあの本有益の由です。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
午後野原からかえりました。お母さん、達ちゃんが二年出征していたのに野原は只一度も慰問袋を送らなかったというお話でした、忘れかねておっしゃるお気持よくわかります、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
といたします。 かんづめ類はこっちにもありません。かんでなくてびんよ。これから慰問袋も弱りですね、びんでは入れられないから。 アキラは本当に可愛い子ね。いか....
氷河」より 著者:黒島伝治
地へ送りかえされ、不快な軍隊から退いてしまえるのだ。彼は、内地から着いた手紙や、慰問袋を兵営から病院へ持ってきた。シベリアに居る者には、内地からの切手を貼った手....
光は影を」より 著者:岸田国士
探しなさい。あなたの幸福はそこにあるのだ」 満洲、華中、マレイと、彼女の手紙と慰問袋が執拗に彼を追いかけて来た。が、それはまる一年間であつた。ぴたりと音信が止....
四つの都」より 著者:織田作之助
初枝(生徒に向って)「静かにして、静かに」 庄平「げんに僕は三月前にその方から慰問袋を戴いてるんです……兎に角行ってみましょう、有難う」 行きかけて、引き返し....